ネパールで南アジア地域の連結性向上に向けたワークショップ開催

(インド、ネパール、バングラデシュ、ブータン)

ニューデリー発

2025年06月26日

国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)とネパール政府は6月16~17日、南アジア東部の4カ国・地域(インド北東部、バングラデシュ、ネパール、ブータン)の連結性向上に向けたワークショップをネパール東部のカカルビッタで開催した。関係各国の政府関係者や研究者、民間事業者など約50人が参加した。

4カ国・地域のうち、インド北東部に属する8州、ネパール、ブータンは海に面しておらず、経済的な発展には国境を越えた連結性向上が必要不可欠だ。ワークショップでは、各国の政府関係者からそれぞれの取り組み状況について報告があったほか、民間事業者からは通関手続きの煩雑さやインドの輸入規制に関連するトラブルなど具体的な課題が挙げられ、活発な議論が行われた。

開催地のカカルビッタは、インド北東部とインド他地域を結ぶシリグリ回廊に面しインド国境に接している。最狭部が約20キロしかないシリグリ回廊には、インドとネパール、バングラデシュを結ぶ国境があるほか、ブータンとの国境にも近く、同地域の物流の重要拠点となっている(添付資料図参照)。

ワークショップの2日目には、カカルビッタ・パニタンキ(ネパール・インド)国境、フルバリ・バングラバンダ(インド・バングラデシュ)国境の陸上港の現地視察も行われた。フルバリ陸上港では、視察時にブータンからインドを通過しバングラデシュ国境まで石材を運ぶブータンのトラックが多数行き来しており、同地域の陸上輸送経路の整備、通関手続きの簡素化など、連結性向上の重要性がみて取れた。

写真 フルバリ陸上港を往来するブータンのトラック(ジェトロ撮影)

フルバリ陸上港を往来するブータンのトラック(ジェトロ撮影)

ESCAPは能力開発プログラムを通して、同地域のマルチモーダル(複合的な形態の組み合わせ)な連結性と地域内の貿易連携改善を支援している。今回のワークショップもこの活動の一環として実施され、2023年のインド北東部メガラヤ州シロン、2024年のブータン西部パロ(2024年10月29日記事参照)に続き、3回目の開催となった。

(丸山春花)

(インド、ネパール、バングラデシュ、ブータン)

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