イスラエル、国会解散法案を否決、ネタニヤフ政権継続へ

(イスラエル)

テルアビブ発

2025年06月16日

イスラエルの国会に当たるクネセトで6月12日未明、クネセト解散法案の予備審議と採決が行われた。結果は反対61票、賛成53票で否決され外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ネタニヤフ現政権の継続が決まった。

この法案は、クネセトを解散し、法律公布から3カ月以内に総選挙を実施することを求める内容だった。なお、予備審査で可決されていた場合でも、第一読会・第二読会・第三読会といった立法プロセスを経て法律とする必要があった。

法案を巡って、連立与党内の超正統派政党のシャス(11議席)やユダヤ・トーラー連合(7議席)は、ユダヤ教超正統派男性に対する兵役義務の免除を恒久化する法案の停滞に強い不満を抱き、抗議の一環として、法案に賛成する可能性を示唆していた。2022年の総選挙で成立した第6次ネタニヤフ政権は、64議席の連立与党で、クネセト(定数120)で過半数(61)をわずかに上回る構成となっている。従って、これらの政党が賛成に回れば、法案が可決される可能性が現実的に存在していた。

しかし、リクード党のユリ・エーデルシュタイン議員とシャスやユダヤ・トーラー連合の一部議員が兵役法案に関する妥協案に合意したことで、これらの政党は解散法案への支持を撤回し、結果として法案は否決された(6月12日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙電子版)。ただし、ユダヤ・トーラー連合党首のイツハク・ゴールドクノフ住宅建設相は兵役法案の妥協案に反発し、閣僚ポストを辞任した(6月12日付「イスラエル・ナショナル・ニュース」)。

クネセト規則(第76条)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、予備審議で否決された法案と同一、または類似の措置を原則として6カ月以内に再提出することができない。このため、野党が再びクネセト解散を求める法案を提出できるのは、現状では少なくとも半年の猶予期間を待つ必要がある。

(中溝丘、イバン・ステシェンコ)

(イスラエル)

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