ドイツ国内で随一の性能を持つ水素充填ステーションがデュッセルドルフに開業
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2025年06月09日
水素インフラ運営・建設企業のH2モビリティは、ドイツのノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州デュッセルドルフで5月26日、国内でも随一の充填(じゅうてん)性能を持つ水素ステーションを開業したと発表した(プレスリリース)。本ステーションは、H2モビリティ、NRW州の地域交通事業者のラインバーン、エネルギー供給事業者のシュタットベルケ・デュッセルドルフとのパートナーシップで実現したもので、バスやトラックなどの商用車や乗用車などにグリーン水素燃料を補給するものだ。
本ステーションでは、既存の国内のステーションを大きく上回る量の水素を一度に充填でき、1日あたり最大5トンの水素を供給可能。このプロジェクトは、連邦デジタル・交通省(現、連邦交通省)主導の「水素・燃料電池イノベーション国家プログラム(NIP2)」の一環で、本ステーションに313万7,000ユーロ、同市内の電解槽に121万2,000ユーロの助成を受けて、開業に至った。なお、当面は非バイオ由来の再生可能燃料(RFNBO)で製造された水素が供給されるが、同市内に設置される電解槽の2026年の完成を機に、バイオマス由来のエネルギーを用いて製造された地産の水素が供給される予定となっている。
デュッセルドルフ市は、2035年までに気候中立都市を目指すことを掲げている。また、連邦政府は国家水素戦略(2023年10月17日付地域・分析レポート参照)を策定し、水素の確保、インフラ整備、利用用途の確立を進めている。ラインバーンは現時点ですでに20台の水素バスを運用しており、今回完成した水素ステーションは同社の脱炭素戦略において重要なインフラとなるとしている。
開業式に出席したモナ・ノイバウアーNRW州経済・産業・気候保護・エネルギー相は、「モビリティの脱炭酸化に向けた重要な一歩だ」と述べ、州政府の積極的な支援を約束するとともに、今後の水素社会の発展に期待を寄せた。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ)
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