電子インボイス導入を一部延期、売上高100万リンギ超500万リンギ以下は2026年1月から

(マレーシア)

クアラルンプール発

2025年06月09日

マレーシア内国歳入庁(IRB)は6月5日、年間売上高100万リンギ超500万リンギ以下(約3,400万円超1億7,000万円以下、1リンギ=約34円)の事業者に対し、電子インボイス制度の導入を半年間延期すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。IRBは2025年2月に、売上高15万リンギ超50万リンギ以下の事業者に対し導入を延期したばかりだ(2025年2月25日記事参照)。段階的導入スケジュールの節目だった7月1日を前に、中小零細事業者が今も準備に苦慮していることに配慮した。

今回の発表によれば、売上高100万リンギ超500万リンギ以下の場合、新たな導入時期は2026年1月1日。500万リンギ超2,500万リンギ以下の企業は、当初の予定どおり2025年7月1日を導入日とする。さらに、電子インボイスの導入義務化を当面免除する対象として、従来15万リンギ未満だった閾値(いきち)を、50万リンギまで引き上げた〔IRB「電子インボイスガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」第4.4版1.6.1(e)〕。複数の取引を1つにまとめた一括請求書の発行については、新たな導入日を起点に6カ月間認めるものの、2026年1月以降は1万リンギ超の取引では利用できなくなる。

今回の発表を踏まえた、最新のスケジュールは次のとおり。金額は、導入対象となる年間売上高を示している。本スケジュールを反映したガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも、IRBのウェブサイトに掲載済み。

  • 2024年8月1日:1億リンギ超(実施済み)
  • 2025年1月1日:2,500万リンギ超1億リンギ以下(実施済み)
  • 2025年7月1日:500万リンギ超2,500万リンギ以下
  • 2026年1月1日:100万リンギ超500万リンギ以下
  • 2026年7月1日:50万リンギ以上100万リンギ以下
  • 当面除外:50万リンギ未満

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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