ジェトロ、サウジアラビア新投資法に関するウェビナー開催

(サウジアラビア、日本)

リヤド発

2025年06月05日

ジェトロはサウジアラビアの首都リヤドで5月14日、同国の新投資法の概要についてウェビナーを開催した。同国政府は、2024年8月に投資法改正を決定(2024年8月15日記事参照)した。その後2024年12月に新投資法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの施行規則案を発表(2024年12月20日記事参照)し、2025年2月から施行されている。ウェビナーにはサウジアラビア投資省(MISA)からマハ・アブアルファラージ政策・立法開発副シニア・アドバイザーを講師に招き、日本・日系企業約50人が参加した。

講演ではまず、同省が行った投資家が直面している課題に関する調査結果について触れ、法規制の予測不能性が課題として高順位になったとの結果を共有した。ビジネスの容易性(法規制の透明性など)や市場機会(国内投資家と同様の経済分野への投資許可など)など旧法では未対応だったことを受けて投資法改正に至った経緯などを説明した。

続いて、旧法との比較(2024年8月15日記事参照)を行い、第6章「登録」では、登録要件について詳述した。第7章「除外される事業」では、外国企業の活動が制限または禁止されている活動、認可取得手続きなどを説明している。活動リスト(注1)や関連追加規則、手続きは定期的に更新されると述べた。

最後に質疑応答セッションを行い、同省からアブアルファラージ講師のほか、ザイド・アルムサラーム外国投資監督委員会事務局長、オサマ・アルムアヤド政策担当副大臣補佐官、モアマー・アルドラム投資環境アドバイザー、ハーリド・アルシェディ投資関連部長が登壇した。

主な質疑応答は次のとおり。

(問)新投資法下ではどのような業種でも事業活動が可能か。

(答)新法下では外国企業の活動が制限または禁止されている分野でない限り可能。制限または禁止分野に関しては 投資省の承認が必要となる。

(問)投資ライセンスの審査に要する時間は。

(答)通常3~4営業日以内(注2)。プロセスを一元化し合理化するため、商業省との統一プラットフォームも開発中。

(問)既存の投資ライセンスを保持する企業は何らかの法的措置を取る必要あるか。

(答)必要なし。新しい支店を開設する場合の商業省への商業登録や投資省の認可も不要となり、直接自治体で手続きが可能になった。

(注1)施行規則には、リストをインベストメントガイド第12版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載するものとすると記載されているが、第11版PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に記載されているリストからのアップデートは現時点では確認できていない(2025年6月2日時点)。

(注2)施行規則には、登録要件を満たした日から10営業日を超えない期間内と記載されている。

(平田若菜)

(サウジアラビア、日本)

ビジネス短信 6c3ffb06d91c50d2