タイ、カンボジアとの国境検問所を一部制限、軍事緊張に伴う措置

(タイ、カンボジア)

バンコク発

2025年06月11日

タイ外務省は6月8日、タイ・カンボジア国境情勢に関する記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開いた。両国間の軍事的緊張に伴う対応として、一部の国境検問所で移動制限を課している。

タイとカンボジアとの間では、陸上国境の一部(全長817キロ)を巡る領有権争いが100年以上続いている(6月7日付「バンコク・ポスト」紙)。当時、カンボジア宗主国のフランスが1907年に定めた国境線の正当性にタイが反対して以降、断続的に紛争が起きている。

5月28日に国境地帯での銃撃戦でカンボジア兵1人が死亡したことなどを受けて、両国間の緊張が高まっており、タイ軍は6月7日午後7時から国境検問所での移動管理措置を実施している。この措置について、タイ外務省は、即時閉鎖ではなく、検問所を次のとおり、段階的に管理していると説明した。

  • ステップ1:必要な業務(商人や貨物輸送、労働者など)を除き、通行を制限。不法行為に関与する可能性のある人物の検査を強化。
  • ステップ2:通行可能な時間帯を短縮し、明確な出入国の曜日と時間を設定。
  • ステップ3:特定の検問所を閉鎖。
  • ステップ4:危機的な場合は全ての検問所を閉鎖し、最大限の統制を実施。

タイ外務省は主な国境検問所の運用状況(添付資料表参照)について、在プノンペンのタイ大使館のフェイスブックページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどを参照するよう促している。カンボジア軍はタイ側の管理措置を受けて、紛争地帯からの撤退と交渉に応じることに合意したと報じられている(6月9日付「バンコク・ポスト」紙)。

写真 通常のバン・クローンルアック国境検問所(ジェトロ撮影)

通常のバン・クローンルアック国境検問所(ジェトロ撮影)

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、カンボジア)

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