日本映画祭の第25回ニッポン・コネクション、過去最多の2万人来場
(ドイツ、日本)
デュッセルドルフ発
2025年06月11日
日本映画に特化した映画祭「ニッポン・コネクション」が5月27日から6月1日までドイツのフランクフルトで開催された。同映画祭は映画のみならず、日本のライフスタイルや食をはじめとした文化を総合的に体験できるイベントで、日本国外で開催される日本映画祭としては世界最大級とされる。25回目となった今回の来場者数は過去最多の2万人を記録した。
初日に行われた開会式では、伊藤毅・駐フランクフルト日本総領事や、ティモン・グレメルス・ヘッセン州科学研究・芸術文化相らがあいさつし、日本とドイツの文化の架け橋になっている同映画祭のさらなる発展への期待と祝辞を述べた。
メイン会場となったKünstler*innenhaus Mousonturm(ジェトロ撮影)
例年100作品ほどを上映しており、短期間でチケットが完売となる作品があるなど、日本映画への高い期待と人気がうかがわれた。また、観客の投票で決まるニッポン・シネマ賞には、安田淳一監督の「侍タイムスリッパー」が選出され、フランクフルトのメッツラー銀行の協賛による賞金4,000ユーロを獲得した。
なお、先日開催された第78回カンヌ国際映画祭では日本映画が10作品参加(2025年5月28日記事参照)したほか、2月に開催された第75回ベルリン国際映画祭では6作品、第81回ベネチア国際映画祭では10作品が参加するなど、国際的に日本映画の注目は高まっている。
設立時から「ニッポン・コネクション」の代表を務めるマリオン・クロムファス氏は「日本映画の魅力はその多様性にある。日本の若手監督や映画配給会社などにこの映画祭が一層認知され、ドイツや欧州での可能性が広がることを望む」と述べた。また、米国の政治動向を踏まえ、日本とドイツ、日本と欧州の連携や共同製作がより一層広がることを期待しているとの発言もあった。
次回の開催は2026年6月2日~7日に予定されている。
(佐藤由美子、𠮷澤和樹、櫻澤健吾)
(ドイツ、日本)
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