米商務省、自動車部品に対する232条関税の相殺制度の申請方法を発表

(米国、日本)

ニューヨーク発

2025年06月13日

米国商務省国際貿易局(ITA)は6月12日、1962年通商拡大法232条に基づく自動車部品に対する25%の追加関税の相殺制度の申請方法を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国政府は2025年4月3日に自動車、5月3日に自動車部品に対し、それぞれ25%の232条関税の賦課を開始した(2025年4月3日記事参照)。ドナルド・トランプ大統領は、4月29日に自動車部品に対する232条関税の相殺制度を設ける大統領布告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同布告では、自動車製造者が2025年4月3日~2027年4月30日に米国で組み立てた自動車の数量と価格に応じて、自動車部品に対する232条関税の支払いに充当可能な相殺制度を商務省が創設することを規定していた(2025年4月30日記事参照)。

今回、6月13日付で公示予定の官報案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、相殺制度の申請方法が明らかになった。これによれば、自動車製造者は、2025年4月3日~2026年4月30日に米国で組み立てた自動車の希望小売価格(MSRP)の合計額の3.75%に相当する輸入調整相殺額を申請できる。2026年5月1日~2027年4月30日は同2.5%に相当する相殺額を申請できる。申請に基づいて付与された相殺額は、完全に使い切るまで無期限で繰り越すことができる。ただし、2027年4月30日以降に米国で組み立てた自動車に対する相殺額は認められない。

相殺額の申請に当たって、製造者は、2025年4月3日~2026年4月30日、2026年5月1日~2027年4月30日の各期間で相殺額を申請する必要がある。申請書類に含む内容は、(1)米国で組み立て予定の自動車のメーカー、モデル、工場所在地別の台数、(2)MSRP総額、(3)自動車部品に対する232条関税の予想コスト(製造者が直接負担する関税コストと、サプライヤーが負担する関税コストを区別)、(4)申請相殺額(相殺額の計算方法の詳細を含む)、(5)相殺額の使用可能な登録輸入者のリスト(登録輸入者番号および各登録輸入者に割り当てた相殺額を含む)、(6)製造者の上級役員による、申請書類が製造者の知る限りにおいて、事実・正確・完全であることなどを確認した宣誓書、(7)そのほか、審査に必要と考えられる情報。

これら書類を、製造者は電子的に官報に記載の宛先に提出する。商務省は申請に基づき審査を行い、承認した場合には、書面で製造者に相殺額などを通知する。また、商務省は承認した登録輸入者および相殺額のデータを米国税関・国境警備局(CBP)に共有する。相殺額は、承認された製造者に関連する、承認された輸入業者のみが使用できる。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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