中国とシンガポール国交35周年、習国家主席とウォン首相が関係深化を確認

(シンガポール、中国)

シンガポール発

2025年06月27日

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は6月24日、中国の習近平国家主席と北京の人民大会堂で会談した。両国間の国交樹立35周年を祝い、「全方位高度未来志向型パートナーシップ」の枠組みでの関係深化をあらためて確認した。両国は2023年3月、両国関係を「全方位高度未来志向型パートナーシップ」へと強化することで合意していた(2023年4月4日記事参照)。

今回の訪中は、ウォン氏が2024年5月に首相に就任して以来、初の公式訪問となる。同日付の新華社通信によると、習国家主席は会談で、「世界が覇権主義、弱肉強食の法則に逆戻りしてはならない」と述べた。その上で、シンガポールとともに、「平等で秩序ある多極化した世界と、相互に利益をもたらす包摂的な経済グローバル化を推進していきたい」と語った。

また、ウォン首相は同日、中国の李強首相とも会談した。シンガポール外務省の発表によると、両首相は、自由貿易、多国間主義、ルールに基づく国際秩序を支持する他の国々と協力していく重要性を確認した。さらに、ASEAN加盟国と東ティモールの公務員研修プログラムを共同で策定することに合意した。

両首相は会談後、(1)シンガポール法務省と中国国家国際発展協力署間の第三国研修プログラム開発に関する意向表明書(LOI)、(2)シンガポール法務省と中国法務部との間の法曹人材育成に関する覚書(MOU)、(3)両国間の高官交流プログラム設立に向けた検討に関するMOU、(4)シンガポール知的財産庁(IPOS)と中国国家知識産権局との間のデータ交換協定、の署名式に立ち会った。

ウォン首相は中国滞在中、24日から天津市で開催された世界経済フォーラム(WEF)が主催する「夏季ダボス会議」に出席した。

(本田智津絵)

(シンガポール、中国)

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