中東発テクノロジー展示会「GITEX」の欧州版がドイツ・ベルリンで初開催
(ドイツ)
ベルリン発
2025年06月06日
欧州最大級のテクノロジー展示会を標ぼうする「GITEX Europe」が、5月21~23日にドイツのベルリンで初開催された。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている中東・北アフリカ(MENA)地域最大のテクノロジー展示会「GITEX」(Gulf Information Technology Exhibition)が近年、開催地をアフリカやアジアにも広げているなか、欧州版として初めてベルリンで開催された。
GITEX会期初日朝の入場ゲートの様子(ジェトロ撮影)
開会式に参加したベルリン州のカイ・ベーグナー州首相は、「ドイツのスタートアップの首都として、ベルリンはGITEXにとって最適な場所である。私たちは、この都市で起業家にとって最高の環境を創造したいと考えている。GITEXのようなネットワーキングイベントや産業見本市は、その取り組みの一環である」と述べ、ベルリンでの開催を歓迎するとともに、ベルリン州政府としても力強く後押ししていくことを表明した。
開会式でスピーチをするベルリン州カイ・ベーグナー州首相(ジェトロ撮影)
報道などによると、第1回の今回は、100カ国以上から3万人超の来場者を集め、スタートアップ750社超を含む1,400社超が出展。地元のベルリン州・ブランデンブルク州共同パビリオンをはじめドイツ国内の州がパビリオンを設置したほか、欧州イノベーション会議(EIC)も独自パビリオンを設け、EICが支援する30社超のスタートアップも出展した。また、600人超の投資家や約500人の業界リーダーが参加し、パネルディスカッションなどを通じて活発な議論が行われた。
欧州イノベーション会議(EIC)のパビリオン(ジェトロ撮影)
一方、一部報道では、当初は約2,500社の出展を見込んでいたところ実際の出展者数は1,400社超に下方修正され、ベルリンの有力スタートアップも出展しておらず、大手テック企業も少なく、初開催決定時に比べ盛り上がりに欠けた、との指摘もあった(「ターゲスシュピーゲル」紙5月21日)。
今回、日本からの出展は、大手テック企業1社とスタートアップ1社のみにとどまった。本展示会の主催者ドバイ・ワールド・トレード・センターのトリクシー・ローミルマンド副社長はジェトロのインタビューに対し、「来年は、さらに規模を広げて開催したいと考えている。欧州やドイツ・ベルリンだけでなく、世界の企業とつながるエントリーポイントとして、日本の企業やスタートアップにもぜひGITEX Europeを活用いただきたい」と語った。
次回は、2026年6月24~25日に、同じくベルリンで開催される予定。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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