在日インド大使館で日印のメディア・エンタメ分野での協力深化に向けたイベント開催

(日本、インド)

デジタルマーケティング部コンテンツ課

2025年06月30日

在日インド大使館は618日、日本とインドのメディア・エンターテインメント分野における協力強化を目的としたイベント「Way Forward from WAVES Summit 2025」を開催した。日印両国の産業界および政府関係者ら約50人が参加した。本イベントは5月にインド西部ムンバイで開かれナレンドラ・モディ首相も参加した、コンテンツ関連イベント「World Audio VisualEntertainment SummitWAVES2025」(2025年5月9記事参照)を受けて開催された。

あいさつに登壇したシビ・ジョージ駐日インド大使は、AVGC-XR(注)分野における両国の協力可能性を強調し、成長するインドのクリエーティブエコノミーと日本の高い技術力が生み出す相乗効果への期待を述べた。また、文部科学大臣政務官で漫画家の赤松健氏は、文化コンテンツが果たす外交的役割や日本のクリエーターにとってのインド市場の可能性および両国の関係強化の重要性を指摘した。インド情報・放送兼議会担当相のL・ムルガン氏は、文化的な交流が両国の協力関係をさらに深化させることを指摘し、コンテンツ共同制作の覚書(MoU)締結や11月に南部ゴア州で開催が予定されているインド国際映画祭への日本からの参加を促した。

写真 あいさつに登壇したシビ・ジョージ駐日インド大使(在日インド大使館提供)

あいさつに登壇したシビ・ジョージ駐日インド大使(在日インド大使館提供)

続いて登壇した、イベント主催者のWAVESのCEO(最高経営責任者)アチャル・マルホトラ氏は、5月のWAVESには650社以上の企業、10万人以上の来場者、100人以上の講演者が参加したことを紹介し、メディア大国としてのインドの躍進を指摘した。5月のWAVESでは、日本のアニメ映画のインド公開に関する記者発表も行われ、インド側からも日本の動画コンテンツや協業への強い関心が寄せられた。

インドと日本の文化交流は、すでに強い基盤がある。インド映画「バーフバリ」や「RRR」が日本で人気を集めており、日本のアニメや漫画もインドの若者に広く浸透している。インドのメディア・エンターテインメント業界は、今後大きな成長が見込まれており、2026年には3兆800億ルピー(5兆2,360億円、1ルピー=約1.7円)に達する見込みだ。

(注)アニメーション、視覚効果、ゲーム、漫画、XR〔エクステンデッド・リアリティー、またはクロス・リアリティーと呼ばれ、現実世界と仮想世界をつなぐVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(代替現実)技術の総称〕の5分野を合わせた総称。

(小柴里沙)

(日本、インド)

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