インド政府、コンテンツ関連イベントWAVESをムンバイで開催

(インド)

ニューデリー発

2025年05月09日

インド西部ムンバイで514日、インド情報・放送省主催のコンテンツ関連イベント「World Audio Visual & Entertainment SummitWAVES2025」が開催された。開会式に登壇したナレンドラ・モディ首相は、インドの俳優・映画監督のラージ・カプールのロシアでの人気の高さや、映画「RRR」(アールアールアール)のアカデミー賞受賞などを例に挙げながら、近年のエンターテインメント産業の成長に触れ、「今後、新たなクリエーターの育成にも力を入れていく」と述べた。また「インドは今、オレンジ経済(注)の夜明けだ」と述べ、今後、インドのコンテンツ、創造性、文化がさらに世界的に認知されていくと強調した。

写真 会場内のメインステージ(ジェトロ撮影)

会場内のメインステージ(ジェトロ撮影)

会場となったジオ・ワールド・コンベンション・センターの各ホールでは、インドのコンテンツ産業に関わる専門家による講演や、人気ユーチューバーのプレゼンテーションなどが行われた。展示会場では、ネットフリックスやユーチューブ、アマゾン・プライムなどの動画配信サービス、インド地場の映画配給会社や映像制作スタジオなどがブースを出展した。4日間の会期を通じ、90超の国から1万人以上が来場した。

日本から参加したテレビ朝日はインドで公開予定の「クレヨンしんちゃん」の映画2作品の記者発表を行った。1作品目の「オラたちの恐竜日記」は5月9日に公開、2作品目の「超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」はインドを舞台としており、今秋以降に公開を予定している。インド国内で同キャラクターの人気が高いこともあり、来場者からは「上映が待ちきれない」といった声が上がった。

ジェトロもイベント会場にブースを構え、オンラインカタログサイト「Japan Street」の広報を行った。同ブースには日本の動画コンテンツの配信に関心を持つ大手放送局やオンライン配信会社などが訪れた。また、インドの国民性に合わせたアニメ・映画などのコンテンツリメークを実施するアニメ制作会社や、日本のアニメやゲーム関連会社での就労を目指す若手クリエーターも来場するなど、さまざまな切り口から日本に関心が寄せられた。

(注)2013年にアフリカ開発銀行(IDB)が発表したレポートによって広まり、クリエーティブ産業と文化資産を経済成長の要素と捉えるコンセプト。

(ジェニカ・カルラ、川崎宏希)

(インド)

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