香港域外企業の香港への本拠地移転申請手続きを簡素化

香港政府は5月23日、香港域外で設立された企業が、香港の会社登記所（Companies Registry）に香港への本拠地を移転申請することを可能とする会社条例（改定）を官報に公告し、即日施行した。この本拠地移転制度（Re-domiciliation Regime）を活用すれば、企業は、複雑かつ費用のかかる司法手続きを軽減でき、香港で法人格を維持し、事業継続を確保することができる。

本拠地移転が申請可能な事業形態は、非公開有限責任会社（Private company limited by shares）、公開有限責任会社（Public company limited by shares）、株式資本を有する非公開無限責任会社（Private unlimited company with a share capital）、株式資本を有する公開無限責任会社（Public unlimited company with a share capital）またはこれら4種類の事業形態に相当する会社だ。

ただし、保険業と銀行業に関しては、規制に基づき、香港域外で設立された認可保険会社や認可機関、認可機関の持ち株会社、または認可資金仲介業者は、申請の際に保険業監督局（Insurance Authority）または香港金融管理局（HKMA）の事前審査が必要となる。

会社登記所への申請後、通常2週間以内に承認手続きを完了する。承認された申請者には「本拠地移転証明書（certificate of re-domiciliation）」が発行され、香港法人として認められる。証明書の発行日から発効となる。なお、香港で本拠地移転された会社には、元の拠点地の登記抹消のために120日間の期間が付与される。

なお、本居地移転手続きについては会社登記所のサイトで確認できる。

〔黄莃倫（ケリー・ウォン）〕