トランプ米大統領、19カ国の外国人の入国を制限、エジプトに対する審査も指示
(米国、アフガニスタン、ミャンマー、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、エリトリア、ハイチ、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメン、ブルンジ、キューバ、ラオス、シエラレオネ、トーゴ、トルクメニスタン、ベネズエラ、エジプト)
ニューヨーク発
2025年06月06日
米国のドナルド・トランプ大統領は6月4日、国家安全保障と公共安全確保を理由に、特定国の外国人の入国を全面的・部分的に制限する大統領布告を発表した。制限措置は6月9日に発効する。
トランプ大統領は、一部の国の外国人はビザの有効期限を超過して米国に滞在するリスクが高く、移民当局や法執行機関の負担を増大させ、その他の国家安全保障と公共安全のリスクを助長するとして問題視した。その上で、外国人に対する米国のビザ審査に際して、米国に及ぼすリスクを判断するための十分な情報を提供していない国がその慣行などの改善に取り組むまで、それらの国の外国人入国を制限すると説明した。
全面的制限の対象国は、アフガニスタン、ミャンマー、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、エリトリア、ハイチ、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの12カ国。部分的制限の対象国は、ブルンジ、キューバ、ラオス、シエラレオネ、トーゴ、トルクメニスタン、ベネズエラの7カ国。この7カ国の外国人に対するB(商用・観光)ビザ、F・M(学生)ビザ、J(交流訪問者)ビザの発給を停止するほか、その他のビザの有効期限を短縮する。
措置は、発効日に米国外に滞在している対象国・地域の外国人や、米国内に滞在しているが有効なビザを保有していない外国人に適用する。ただし、米国の永住権を保有する外国人や、A(外交・公用)ビザ、C(通過・乗り継ぎ)ビザ、G(国際機関)ビザなどを保有する外国人には適用されない。
また、トランプ大統領は大統領布告を通じて、マルコ・ルビオ国務長官に対して、措置の維持・撤回・変更・追加などを継続的に審査することを指示した。今後、90日以内に審査結果と提言事項を記載した報告書を提出し、その後180日ごとに同様の報告書を提出することを指示した。特にエジプトを明示して、同国の適切性を審査することを指示した。
トランプ政権は今回の措置のほか、中国人留学生を中心とした外国人留学生や、留学生を受け入れる高等教育機関に対する圧力を強めている(2025年6月2日記事参照)。トランプ大統領は4日、ハーバード大学の留学生の入国を制限する大統領布告を発表した。また、ルビオ長官に対して、同大学に在学中の留学生の滞在資格取り消しの検討も指示した。
(葛西泰介)
(米国、アフガニスタン、ミャンマー、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、エリトリア、ハイチ、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメン、ブルンジ、キューバ、ラオス、シエラレオネ、トーゴ、トルクメニスタン、ベネズエラ、エジプト)
ビジネス短信 23ce51a83516d331