中銀、政策金利を20%に引き下げ
(ロシア)
調査部欧州課
2025年06月13日
ロシア中央銀行は2025年6月6日に行われた金融政策決定会合で、主要政策金利(キーレート)を21.0%から20.0%とすることを決定し、9日から適用した(添付資料図参照)。2024年10月に引き上げてから21%で据え置いていた(2024年10月31日記事参照)。物価の上昇圧力が低下し始めているが、中銀は2026年末までに目標の4%に抑制できるまで引き締めの方針を継続するとしている。
中銀は声明で、国内の需要の伸びは依然として供給拡大能力を上回っているが、ロシア経済は徐々に均衡の取れた成長軌道に戻っているとした。中銀のエリビラ・ナビウリナ総裁は6月6日の記者会見の中で、利下げの理由について、金融の引き締めによりインフレ率が大幅に減速し、その傾向が続いていると説明した。
ナビウリナ総裁によると、物価上昇率は財・サービスの各分野でばらつきがある。引き締め政策は、特に非食品分野に影響を与え、家電製品や電子機器の価格はほとんど変化がないか、または下落した。食品の上昇率も全体的に和らいだ。一方、サービスの価格は、所得の増加を背景に高止まりしていると指摘した。インフレ期待は依然として高い水準にあるが、企業の価格期待は2025年初から持続的に低下しており、下落傾向にある。
ナビウリナ総裁は経済について、内需は引き続き高い状態にあるが、家計消費と投資活動の伸びが緩やかに減速していると評価した。供給面では深刻な労働力不足が続いていたが、緩和の兆しが見られると指摘した。
中銀によると、6月2日時点で年間インフレ率は9.8%と高い水準で推移している。ナビウリナ総裁は、2026年までにインフレ率を目標の4%の水準で安定させるため、引き締めの方針を維持し、必要に応じて引き上げをする考えを示した。
次の会合は2025年7月25日に予定されている。
(欧州課)
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