第1四半期の実質GDP成長率は前期比0.8%、6期連続でプラス成長を維持

(チェコ)

プラハ発

2025年06月13日

チェコ統計局の5月30日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2025年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.8%で、2023年第4四半期(10~12月)以降6期連続のプラス成長を維持した(添付資料表1参照)。前年同期比では2.2%だった。

チェコ統計局は「需要項目別にみると、前期比で成長を牽引しているのは家計最終消費支出と総資本形成であり、一方、政府最終消費支出が成長抑制の要因になっている」とコメントしている。

需要項目別では、総資本形成が前期比1.7%増で、第4四半期の1.1%減からプラスに転じた。このうち総固定資本形成は1.1%増となった。家計最終消費支出も0.1%増と、成長を押し上げる要因になった。一方、政府最終消費支出は1.5%減で、唯一マイナスを記録した。

産業部門別では、プラス成長の主因となったのは鉱工業で、前期比1.6%増だった。建設業(前期比3.4%増)、情報・通信業(2.0%増)、金融・保険業(5.9%増)も成長を押し上げる要因となった。一方、運輸、小売り、卸売り、宿泊・飲食サービスが0.6%減と、マイナスの要因となった(添付資料表2参照)。

チェコ産業連盟は同日発表したコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2025年第1四半期は、主に家計消費が牽引するかたちで緩やかな景気回復が続いたものの、ドイツなどEUの貿易相手国における予想以上の景気回復の弱さや、対外貿易に影響を与える米国の関税措置の不確実性などにより、安定的な成長には至っていないと分析している。

(宮川嵩浩)

(チェコ)

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