モザンビーク・マラウイ間にワンストップ国境検問所開設
(モザンビーク、マラウイ)
マプト発
2025年06月18日
モザンビークのダニエル・チャポ大統領は6月5日と6日の2日間にわたり、マラウイを公式訪問した。5日にはチャポ大統領とマラウイのラザルス・チャクウェラ大統領との首脳会談が実施されたほか、報道によると貿易、航空、情報通信技術(ICT)の3分野に関する2国間協定が締結された(「クラブ・オブ・モザンビーク」2025年6月6日)。モザンビークにとって隣国マラウイは重要な輸出相手で、南部アフリカ開発共同体(SADC)加盟国向け輸出で、同国は例年上位5カ国に入る(2024年のモザンビークからマラウイへの輸出額は4,380万ドル)。
6日には両国大統領が出席し、モザンビーク・マラウイの陸路国境である、カロムエ/デッザ・ワンストップ国境検問所を開設した。同国境は、モザンビークのテテ州アンゴニア郡とマラウイの中部州デッザ郡とをつなぐ陸路国境で、テテ州の州都テテから北東約200キロ、マラウイの首都リロングウェから南東に直線距離で約90キロに位置する。国境のある地域は、モザンビーク北部の貿易港であるナカラ港と内陸国のマラウイ、ザンビアを結ぶナカラ回廊地域にあたり、日本政府は総額約371億円の円借款事業によってナカラ港改修を支援する(2023年10月26日記事参照)など、国際物流回廊として注目される。ワンストップ国境検問所では、入出国、通関、検疫が1カ所で実施され、物流効率が改善される見通しだ。報道によると、これまでのカロムエ/デッザ国境ではマラウイ向け食品の通関に24~36時間かかり、マラウイと南アフリカ共和国を往来する輸出入業者は、手続き効率に不満を抱えていた(「クラブ・オブ・モザンビーク」2025年6月6日)。モザンビーク経済省の6月11日付発表によると、ワンストップ国境検問所は両国間の交易および人の移動を促進するためのパイロットという位置づけとなる。ワンストップ国境検問所は、カロムエ/デッザ国境に加え、モザンビーク・テテ州モアティゼ郡とマラウイ南部州ムワンザ郡を結ぶゾブエ/ムワンザ国境の2カ所で実施される。
(松永篤)
(モザンビーク、マラウイ)
ビジネス短信 1426242d066e168e