ハノイ市でセブン-イレブン開業、日系大手コンビニチェーンで初
(ベトナム、日本)
ハノイ発
2025年06月12日
日系大手コンビニチェーンのセブン-イレブンのベトナム・ハノイ市で初の店舗が6月6日に開業した。同市での日系大手コンビニチェーンの出店は初めてとなる。同国南部ではセブン-イレブンに加え、ファミリーマートやミニストップの日系コンビニ店舗が既に展開している。
外資系コンビニチェーンのハノイ市内での展開は、米国系のサークルK(香港企業が運営、市内192店舗を展開)、韓国系のGS25(市内18店舗を展開、2025年3月26日記事参照)が先行している。
セブン-イレブンのベトナム1号店は2017年にホーチミン市で開業し、2025年6月時点で南部地域に130店超を展開する。同国のセブン-イレブンは地場企業のセブンシステムベトナム(セブンシステム)が出店計画立案から店舗の運営まで行う。7-Elevenインターナショナル(米国、注1)がセブンシステムとマスターフランチャイズ契約を締結し、マイノリティー出資をしている。日本でセブン-イレブンを展開するセブン-イレブン・ジャパンとの間に直接の資本関係はなく、日本や米国の関係会社はセブンシステムの経営に直接関与しないが、関係会社から複数の日本人社員を派遣の上、店舗開発の戦略立案や、商品開発、運営などのナレッジ共有を行い、セブンシステムの事業展開を支援している。
今回開業した店舗は市内中心部の観光地ホアンキエム湖北東のロースー通りに位置する路面店だ。おにぎりや菓子パン、冷凍のたこ焼きやお好み焼きなどのプライベートブランド(PB)商品や日用品に加え、レジ横でバインミーなどベトナムの総菜や、コーヒーなどのオリジナルドリンクを販売する。上層階にはイートインスペースも設置している。同国でBtoB食材調達プラットフォームを展開する日系スタートアップのカメレオ(注2)がカットフルーツのOEM生産を行うなど、日系企業も商品を納めている。
セブンシステムの櫻木剛士・店舗開発ディレクターによると、今後、オフィスビルのテナントとしてセブン-イレブンを出店することなども予定しており、2025年中にハノイ市内15店舗を目指す計画だ。
同市への日系大手コンビニチェーン進出により、日系小売商品の販売拡大や物流ニーズの高まりが見込まれるほか、中食を通じた日本食文化の普及や、新たなライフスタイルの促進などに期待が高まる。
ハノイ店舗の外観(ジェトロ撮影)
店内の様子(ジェトロ撮影)
(注1)セブン-イレブン・ジャパンと米国の7-Eleven,Inc.が共同出資する会社。
(注2)ベトナムで人気のイタリアン「Pizza 4Ps(ピザフォーピース)」で取締役兼最高執行責任者(COO)を務め、食材の仕入れやチーズのサプライヤーを務めた田中卓・創業者兼最高経営責任者(CEO)が2018年に創業(2021年3月16日付地域・分析レポート参照)。
(萩原遼太朗)
(ベトナム、日本)
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