「Interwine China 2025国際名酒展」、ジェトロがジャパンブースを出展

(中国)

広州発

2025年06月05日

第34回「Interwine China 2025 中国(広州)国際名酒展」が5月20~22日に、広東省広州市で開催された。総展示面積は1万平方メートルで、28カ国・地域から336社が出展し、779人の国外バイヤーと1万2,163人の国内バイヤーが来場した。

ジェトロは中国日本産食品グローバル・ゲートウェイ事業の一環として、ジャパンブースを設置し、27社が出展した。出展企業は、日本酒、焼酎、梅酒、ウイスキー、ビール、リキュールなど日本産酒類を扱うメーカーや代理店が中心で、来場バイヤーなどと約200件の商談が行われた。来場バイヤーに対して、ジェトロの海外バイヤー専用オンラインカタログサイト「Japan Street」の紹介も行った。

ジェトロが出展企業や来場者にヒアリングをしたところ、ジャパンブース出展企業からは、「中国の景気低迷を受け、日本料理店の業績も伸びておらず、BtoBのバイヤーからの注文は減ったが、若者を主体とする個人消費者の需要が増えている」といった声が比較的多く聞かれた。また、山梨県の健康酒を取り扱う出展商社からは「日本の食品安全に対する信頼が厚く、中国市場には非常に将来性がある」とコメントがあった。そのほか、焼酎を主力商品とする企業からは、「現在、中国でバーを開業する若者が多くなっており、これまでにないレシピでカクテルを調合するバーテンダーも多い。深セン市では焼酎をベースとするバーも見られ、伝統的な梅の実だけでなく、コーヒー豆を酒に漬け込むなどの作り方も出てきている」との声が聞かれた。

また、深セン市の日本酒輸入代理店や深セン市のインポーターは、オンライン販売が広がる中で、個人による「代購」(注)経由の商品の流入も増えており、市場での酒類価格体系の乱れを招いていると指摘した。

日本の農林水産省が2025年2月4日に発表した資料によると、2024年の日本酒(清酒)の輸出先として中国は2023年に引き続き2024年も第1位で、前年比6.3%減の116億7,763万円だった。日本酒の輸出額全体に占める中国の構成比は約3割となっている。

写真 「Interwine China 2025 中国(広州)国際名酒展」の会場(主催者提供)

「Interwine China 2025 中国(広州)国際名酒展」の会場(主催者提供)

写真 ジェトロのジャパンブースの様子(主催者提供)

ジェトロのジャパンブースの様子(主催者提供)

写真 バイヤーに「Japan Street」をPRしている様子(ジェトロ撮影)

バイヤーに「Japan Street」をPRしている様子(ジェトロ撮影)

(注)一般的に、海外で商品を買い付けて中国国内の顧客に販売するビジネスを指す。

(翁芸軒、陳昕)

(中国)

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