米国の「大きく美しい1つの法案」への不支持が増加し半数に、米世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年06月11日
米国連邦議会で審議中の2026会計年度(2025年10月~2026年9月)の連邦政府予算案(いわゆる「大きく美しい1つの法案」)は、貧富の差の拡大をもたらすと指摘されている。最近の世論調査では、同予算案への不支持がさらに高まり、半数に達した。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは6月11日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、同予算案を支持するかという問いに対し、不支持は前週(45%、2025年6月5日記事参照)から増加し、50%に達した。支持は30%で、前週(37%)から減少した。
ドナルド・トランプ大統領の重要事項への対応ぶりの純支持率(支持率と不支持率の差)は、「移民」ではプラス4ポイントだったが、「インフレ/物価」はマイナス18ポイント、「雇用と経済」はマイナス10ポイントと低かった。トランプ氏の支持率は43%で、前週(45%)より2ポイント低下した。
5月にトランプ政権の特別政府職員から離職した実業家のイーロン・マスク氏(2025年6月2日記事参照)はトランプ氏と互いを非難し合う状況が続いている。両氏への見方としては、トランプ氏に味方するが34%と、マスク氏(9%)を上回ったが、どちらにも味方しないが50%と半数を占めた。支持政党別では、共和党支持者の74%はトランプ氏に味方するとしている。民主党支持者、無党派層では、どちらにも味方しない割合が83%、56%と最も多かった。
民主党のトランプ政権への対抗は効果的でない
CBSニュースが6月に実施した世論調査(注2)では、トランプ政権への民主党の対抗が効果的かという問いに、78%が「効果的でない」と回答した。民主党支持者に限っても71%という結果だった。
「大きく美しい1つの法案」への見方として、同法案が助けるのは、「富裕層」が60%と最も多く、「中間層」(31%)、「貧困層」(26%)だった。
(注1)実施時期は6月6~9日、対象者は全米の成人1,533人。
(注2)実施時期は6月4~6日、対象者は全米の成人2,428人。
(松岡智恵子)
(米国)
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