第1四半期の在外フィリピン人労働者の送金額、前年同期比2.7%増の94億ドル
(フィリピン)
マニラ発
2025年06月05日
フィリピン中央銀行(BSP)は5月15日、2025年第1四半期(1~3月)の在外フィリピン人労働者(OFW:Overseas Filipino Workers)からの送金額(銀行送金ベース)が前年同月比2.7%増の93億9,700万ドルだったと発表した。単月ベースでは、過去最高を記録した2024年12月の37億3,000万ドルには及ばなかったものの、1月は32億4,000万ドル(前年同月比2.9%増)、2月は30億2,000万ドル(2.6%増)、3月は31億3,000万ドル(2.6%増)と、3カ月とも前年を上回った。
第1四半期の送金額は主に米国、シンガポール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)からの現金送金が増加した。送金額全体のうち、米国からが40.7%と最も大きく、次いでシンガポールとサウジアラビアがそれぞれ7.6%、6.2%を占めた。日本からは4.9%で、4番目に多かった。
アテネオ・デ・マニラ大学のレオナルド・ランゾナ氏は、米国のドナルド・トランプ大統領による昨今の保護主義政策により、今後数カ月は経済流入に関して課題が生じる可能性があると述べた。一方、地場銀行リサール商業銀行(RCBC)のチーフエコノミストのマイケル・リカフォート氏は、送金額が着実に1桁台の伸び率で推移していることは経済にとって明るい兆しだとした。また、2024年の年間送金額344億9,000万ドル(前年比3.0%増)に対し、2025年の伸びは鈍化する可能性があるとしつつも、リカフォート氏は「フィリピンは海外の医療従事者と船員の最大の供給国のため、送金は引き続き経済の強力な牽引力となると確信している」とコメントした。
(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)
(フィリピン)
ビジネス短信 026a428d7cf8ebd8