中間層向け医療サービスに拡充の動き
(ペルー)
リマ発
2025年05月20日
ペルーの大手企業グループのインテルコルプ(Intercorp)に属するアビバ病院(Clínica Aviva)は、中間層にターゲットを絞った医療サービスを拡充させている。
最高経営責任者(CEO)のペドロ・チャベス・カベージョ氏は地元経済紙「ヘスティオン」(5月16日付)に対し、2024年には売り上げで13%、患者数で25%増加したことを明らかにした。
アビバ病院の中間層にターゲットを絞った戦略は、施設の設置箇所にも表れている。リマ市内3カ所のうち2カ所は「リマ・ノルテ(リマ北部の意)」と呼ばれ、人口が多く、中間層が増加している地区にある。もう1カ所はセントロ地域(旧市街地)にあり、いずれも富裕層の世帯は少ない。セントロ地域の病院には、9,000万ソル(約35億1,000万円、1ソル=約39円)の投資により、8階建ての病棟を設置した。2025年はリマ・ノルテの病院に3,000万ソルをかけて救急センターを併設し、専門科を増やす計画という。
カベージョ氏は「今後も新たに病棟を建設する計画だが、ミラフローレス区のような富裕層がいる地域では医療施設がそろっており、われわれの戦略の対象ではない。医療の空白地帯に商機がある」と話している。世界銀行によると、2022年の人口1,000人当たりの医療従事者数は、隣国チリが3.17人に対し、ペルーは1.62人となっている。
(石田達也)
(ペルー)
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