南部のダクノン省とビンフォック省を結ぶ高速道路が着工、ホーチミン市からの移動時間短縮へ

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年05月12日

ベトナム南部のダクノン省ザーギアとビンフォック省チョンタインを結ぶ高速道路(ザーギア~チョンタイン高速道路)建設プロジェクトが開始された。本プロジェクトは、(1)高速道路の建設、(2)側道および跨(こ)道橋の建設、(3)補償、用地整理、移住支援の事業で構成される。高速道路の建設工事は、ビンフォック省が官民パートナーシップ(PPP)方式で実施し、側道および跨道橋の建設と補償、用地整理、移住支援はそれぞれの省が実施する。4月29日にビンフォック省で高速道路の着工式が行われたほか、19日にはビンフォック省で、28日にはダクノン省で側道および跨道橋の着工式が行われた。

本プロジェクトの総投資額は、25兆5,400億ドン(約1,405億円、1ドン=約0.0055円)で、そのうち10兆5,000億ドンは中央政府予算から、12兆7,700億ドンは民間企業から、残りは地方省予算から調達される。PPP方式による高速道路建設は、ベトナムの大手複合企業ビングループと商業銀行の1つであるベトナム技術商業銀行(テクコムバンク)のコンソーシアムが参画する。資金力のある両社のコンソーシアムが高速道路プロジェクトに投資するのは今回が初めてだ。

ザーギア~チョンタイン高速道路は、全長124キロ(ビンフォック省内が101キロ、ダクノン省内が23キロ)の4車線(将来的には6車線の計画)で、設定速度は時速100~120キロ。プロジェクト全体は2026年に完成し、2027年の運用開始を計画している。完成すると、現在5時間以上の時間を要するザーギア~ホーチミン間の移動が2時間程度に大幅に短縮され、ダクノン、ビンフォック両省への観光客や投資の誘致促進が期待される。

4月29日の着工式で、ビンフォック省人民委員会のチャン・トゥエ・ヒエン委員長は「ザーギア~チョンタイン高速道路プロジェクトは、ビンフォック省とダクノン省だけでなく、メコンデルタ地域と南東地域全体にとっても非常に重要な意義を持ち、これらの地域を経済の中心地であるホーチミン市と緊密に結びつける戦略的な連結軸としての役割を果たす」と語った。

(小林真龍、ティエン・グエン)

(ベトナム)

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