ジェトロ、在日リトアニア大使館、リトアニア・イノベーション庁がビジネスセミナー開催
(リトアニア、日本)
調査部欧州課
2025年05月19日
ジェトロは5月14日、リトアニアのルーカス・サビカス経済・イノベーション相の訪日に際し、東京都内で在日リトアニア大使館、リトアニア・イノベーション庁との共催で、「リトアニア・ビジネスセミナー」を開催した。
サビカス経済・イノベーション相は、リトアニア政府が行政手続きの簡略化などによってビジネス機会の拡大を図っており、情報通信技術(ICT)やレーザー技術、ライフサイエンス、フィンテックなどのハイテク分野で成功を収めてきたことを紹介した。また、日本がアジアで重要なパートナーであり、政権交代があってもパートナーシップは発展を続けていると強調した。イノベーション主導の高付加価値産業での連携が重要とした上で、今回のセミナーがその達成に向けた議論の場となることに期待を示した。
ルーカス・サビカス経済・イノベーション相のあいさつ(ジェトロ撮影)
ロムアルダ・ストラギエネ・イノベーション庁最高経営責任者(CEO)は基調講演で、リトアニアが欧州の中心に位置する小規模国家だからこそ、世界の変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、経済的自由度を高めてきたことを説明し、起業が容易で高度な教育を受けた優秀な人材も多いと、リトアニアでビジネスを行う優位性をアピールした。日本との関係については、リトアニアがソフトウエアに強みを持っていると述べた上で、ハードウエアに強みを持つ日本とはシナジーがあるとした。
ロムアルダ・ストラギエネ・イノベーション庁CEOによる基調講演(ジェトロ撮影)
IOT(モノのインターネット)機器の製造を手掛けるテルトニカジャパンのジェレミー・カウクス代表取締役はリトアニア企業から見た日本の産業について語った。人材活用や営業活動面で文化の違いがハードルとなることはあるが、EUとの経済連携協定(EPA)があることや、少子高齢化を背景としたライフサイエンスなどのビジネス機会があることなどを引き合いに、乗り越えれば十分な見返りがあるとした。
太陽光発電を手掛けるソレトのトマス・リディカス取締役兼セールスディレクターは、ウクライナの復興事業の事例を紹介し、病院に太陽光発電設備を設置するプロジェクトを介して、エネルギーインフラの復興に貢献しているとした。
講演の後はスマートシティー分野のリトアニア企業8社がピッチを行い、その後、参加企業17社が来場した日本企業とのネットワーキングを行った。
(齊藤圭)
(リトアニア、日本)
ビジネス短信 fa39747d52c7fb6b