ケニアの2024年の対アフリカ貿易は輸出入ともに減少
(ケニア、アフリカ、エジプト、エチオピア、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ソマリア、ウガンダ、タンザニア)
ナイロビ発
2025年05月14日
ケニア国家統計局(KNBS)は5月6日、「エコノミックサーベイ2025」を発表した。2024年のシリング建ての対全世界貿易額は、輸出額が前年比10.4%増の1兆1,123億1,030万シリング(約1兆2,458億円、1シリング=約1.12円)、輸入額が3.6%増の2兆7,062億6,760万シリングだった。総輸出のうち16.2%は再輸出で、前年比77.3%増の1,801億5,930万シリングだった。KNBSによると、再輸出の急増は周辺国へのジェット燃料の再輸出によるものだという。
ケニアのアフリカ諸国との貿易額は、輸出額が2.1%減の4,256億3,400万シリング、輸入額が2.3%減の2,706億9,580万シリングとなった。構成比では、アフリカ向けはケニアの世界全体への輸出総額の38.3%を占め、ケニアにとってアフリカ諸国は主要な市場である一方で、輸入総額では10.0%(アジアが45.9%)にとどまり、非対称的な貿易関係となった。
ケニアは東アフリカ共同体(EAC)と東南部アフリカ市場共同体(COMESA)の2つの地域経済共同体に属するが、EACとの貿易はケニアの対アフリカ輸出総額の75.5%、輸入総額の38.4%を占める。特に、輸出ではウガンダが対EAC輸出総額の39.2%、輸入ではタンザニアが対EAC輸入総額の56.6%と突出している。EAC以外では、同じCOMESAに属するエジプトの存在感が輸出入ともに大きく、輸出ではエチオピア(同じくCOMESA)、輸入では南アフリカ共和国の存在感が大きくなっている。
2024年のEAC域内貿易は、2023年11月に加盟したソマリアが今回から統計上、純増となったため、輸出が5.1%増、輸入が11.8%増となった。しかし、EAC加盟各国との貿易額は前年比で軒並み減少しており、一部、タンザニアからの輸入(34.5%増)とコンゴ民主共和国からの輸出入(輸出が20.0%増、輸入が11.6%増)のみが増加となった。
(佐藤丈治)
(ケニア、アフリカ、エジプト、エチオピア、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ソマリア、ウガンダ、タンザニア)
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