いすゞ自動車と住友商事がSMLいすゞの全株式を売却
(インド、日本)
ニューデリー発
2025年05月08日
いすゞ自動車と住友商事は4月28日、インドの商用車製造合弁会社SMLいすゞの全株式をインド地場の自動車大手マヒンドラ&マヒンドラに売却すると発表した(いすゞ自動車、住友商事のプレスリリース)。いすゞ自動車と住友商事は、それぞれSMLいすゞの株式の15%、43.96%を保有していた。
SMLいすゞは、前身である住友商事の合弁会社に2008年にいすゞが出資し、いすゞブランドでのトラックおよびバスの生産を行っており、2024年度(2024年4月~2025年3月)の生産台数は1万4,445台だった。いすゞは、SMLいすゞとは別に、いすゞモーターズインディアでピックアップトラックなどの生産を手掛けており、今回のSMLいすゞの株式売却は同事業には影響しない。
売却先のマヒンドラ&マヒンドラは、3.5トン以下の商用車市場においては52%のシェアを有するものの、3.5トン超の商用車市場ではシェアが3%であり、今回の株式の取得により、シェアを6%に倍増させる計画を示している。さらに、2025年中に株式の取引を完了し、市場シェアを2030年度までに10~12%、2035年度までに20%以上に拡大させることを目指している(同社プレスリリース)。
加えて、マヒンドラ&マヒンドラは、インド証券取引委員会(SEBI)の買収規則に従い、一般株主から最大26%の株式を取得するための公開買い付けを行う予定だ。同社の執行役員兼最高経営責任者(CEO)のラジェシュ・ジェジュリカル氏は、「SMLいすゞはトラック・バス分野においてマヒンドラの既存のラインアップを補完する、確かな伝統、常連の顧客基盤、信頼性の高い製品ポートフォリオをもたらす。この買収は、商用車市場において全製品群における強力なプレーヤーになるという目標に向けての重要な一歩となる」とのコメントを発表した。
(佐藤利昭)
(インド、日本)
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