大連市でビジネス商談に特化した食品展示会が開催

(中国)

大連発

2025年05月01日

中国遼寧省大連市で4月23~24日、大連市飲食産業協会が主催する「大連国際飲食ベーカリー産業博覧会」が開催された。飲食業やベーカリー店、食品製造業の企業を対象に、各企業で使用する食材について商談することが目的で、一般消費者は対象外として行われた。大連市を含む東北3省では、ビジネス商談に特化した展示会は限られており、同博覧会は新しい取り組みとなる。

出展企業は約200社、うち約9割が食材メーカー、または輸入食品を取り扱う企業だった。出展商品は中華料理で使用する調味料や、チルド製品、冷凍食品、ベーカリー店で使用する原材料、飲料の原料、乳製品、食品製造業で使用する原材料など、多岐にわたった。来場者は約1万人に達し、大連市を中心にレストランやベーカリー店のオーナー、商品開発担当者、同業界のディストリビューターが多く、2日間にわたって活発な商談が行われた。

ジェトロは在中国日系企業の中国国内販売を支援すべく、ジェトロブースを設置し、6社のブース出展と1社のカタログ出展を行った。出展商品は麺類、豆腐製品、水産品、調味料、漬物、乳酸菌飲料、抹茶、プレミックス、ホットケーキなどで、大連をはじめ中国各地で製造された商品に関する商談が行われた。

出展日系企業からは、「かにかまへの関心度が高かった。ベーカリー店が多く、期待を超える商談ができた」(水産品メーカー)、「乳酸菌飲料を原材料に使用する小規模のベーカリー店からの発注が多かった」(乳酸菌飲料メーカー)、「団体給食の販路を持つ企業との商談ができた」(調味料メーカー)などの声が寄せられた。一方で、「日本料理店の来場が少なかった」(麺類メーカー)、「大手の食品製造業を開拓したかったが、個人経営のベーカリー店が多く、小ロットの受注が難しい自社にとって対応が難しい面があった」(抹茶メーカー)と、課題の指摘もあった。

同博覧会の運営を担当したのは、大連市で約30年間にわたって食材の卸売りに取り組んでいる大連修竹貿易だ。同社は大連を中心とした東北3省のホテルやベーカリー店、団体給食企業、食品製造業の販路を構築しており、同分野のバイヤーを集客できる強みがある。次年度は日本料理店の集客も強化していく方針だという。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 ジェトロの広報ブース(ジェトロ撮影)

ジェトロの広報ブース(ジェトロ撮影)

(呉冬梅)

(中国)

ビジネス短信 da914093705aac95