政策金利を4.50%に引き下げ、中立金利に近い水準に

(ペルー)

調査部米州課

2025年05月15日

ペルー中央準備銀行(BCR)は5月8日、政策金利を4カ月ぶりに0.25ポイント引き下げ、4.50%とすることを決めた(添付資料図参照)。同国の政策金利は2023年1~8月に7.75%を記録して以降、下落傾向にある。

利下げの理由として、BCRは、直近12カ月間の累計インフレ率が3月の1.28%から1.65%と、一部食品の値上がりの影響で上昇したものの、政府目標値(1~3%)内に収まっていることを考慮したとしている。なお、単月のインフレ率は3月に0.81%だったが、4月には0.32%に下落している。併せて、今後12カ月の累計インフレ率の見通しでは、4月も2.3%を維持しており、こちらも政府目標値内に収まっている。

また、現状の経済活動と見通しに関する指標が4月は前月比でやや悪化していることや、世界経済の不確実性が高いことも、利下げ判断の要因になったとしている。

BCRは今回設定した4.50%という金利を中立金利(注)に近い水準としている。今後の金利調整はインフレの動向やその決定要因となる情報を見ながら判断していく意向だ。

(注)景気を刺激も冷やしもしない名目ベースの金利。

(佐藤輝美)

(ペルー)

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