タタ・エレクトロニクス、タミル・ナドゥ州でiPhone16の組み立て開始
(インド)
チェンナイ発
2025年05月23日
インド大手財閥タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスが、南部タミル・ナドゥ(TN)州北西部クリシュナギリ県ホスールの同社工場で、米国アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の最新機種、iPhone16やiPhone16eの組み立てを開始した。複数の地元メディアが報じた。ホスールは南部カルナータカ州ベンガルールから約40キロ南東に位置し、IT企業や電気自動車(EV)関連企業の集積が進んでおり、近年注目を浴びている。
タタ・エレクトロニクスはこのほかに、2024年3月に台湾の大手電子機器受託製造(EMS)企業である緯創資通(ウィストロン)から買収したベンガルール近郊の工場でiPhoneを組み立てている。2025年1月には同業の和碩聯合科技(ペガトロン)の現地法人の株式60%も取得していた。ホスール工場には2つのiPhone16製造ラインを設置し、各種報道によると、今後4つの製造ラインへの増設が予定されている。各製造ラインでは、約2,500人の雇用創出が見込まれている(「エコノミック・タイムズ」紙2025年5月20日)。
同じくTN州でiPhoneを組み立てる台湾EMS大手、鴻海(ホンハイ)精密工業は5月19日、傘下のフォックスコン系インド子会社に14億8,900万ドルを投資すると発表しており、今回のタタ・エレクトロニクスの生産拡大と合わせて、iPhoneの組み立て拠点は中国からインドへと次第に移管が進むことになる。アップルは2026年末までに、米国で販売される大部分のiPhoneの組み立て拠点をインドに移す予定とも報道されている(「エコノミック・タイムズ」2025年5月3日)。今後、インドでのiPhoneの生産がますます拡大すると見込まれる。
(白川佳奈)
(インド)
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