タイ中銀、前回に引き続き政策金利を引き下げ、1.75%に

(タイ)

バンコク発

2025年05月07日

タイ中央銀行(BOT)は4月30日、金融政策委員会(MPC)を開催し、前回に引き続き政策金利を0.25ポイント引き下げ、1.75%とすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今会合では、経済見通しの悪化に対応して政策金利を0.25ポイント引き下げることに5人が賛成した。他方、2人は、より効果的なタイミングで金利の引き下げを実施すべきで、今後の金融政策に余地を残すことが重要として政策金利の維持に賛成した。

BOTのプレスリリースによると、米国の通商政策と主要経済国からの報復措置の可能性は、世界の経済、金融、貿易の状況に大きな変化をもたらすと予測される。世界経済の成長ペースは鈍化すると見込まれ、当該状況は長期化する可能性もあるとした。

タイ経済については、世界的な貿易政策の不確実性と外国人観光客の減少により下振れする可能性が高いとした。MPCは複数のシナリオで評価しており、米国の関税率が現在のレートに近い水準にとどまれば、2025年に約2%成長すると見込む一方、より高い関税率が設定された場合は1.3%程度まで落ち込む可能性があるとした。また、世界の貿易動向とタイ経済への影響注意深く監視していくことの重要性に加え、世界の貿易動向に伴う負の影響を緩和すべく、民間セクターの競争力を強化する政策の必要性を強調した。

(藤田豊)

(タイ)

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