米国の関税措置、チェコ進出日系企業への影響は現時点では限定的との見方が多数
(チェコ、米国)
プラハ発
2025年05月02日
ジェトロは、米国政府が発表した関税措置に関し、チェコにおいて4月9~17日の期間で緊急アンケート調査を実施した。対象はチェコ日本商工会の会員企業149社で、40社から回答を得た(うち製造業30社、非製造業10社)。結果の概要は次のとおり(詳細な集計結果は、添付資料図1~6を参照)。
- 相互関税政策によるビジネスへの影響:回答企業の約6割が「影響は限定的である」または「ほとんど影響はない」と回答。一方、「非常に大きな影響がある」または「ある程度影響がある」と回答した企業は約2割だった。
- 具体的な影響(複数回答):「調達・輸入コストの上昇」が43%、「製品・サービス価格への転嫁の必要性」が35%、「サプライチェーンの混乱」が28%、「顧客・取引先からの圧力」が23%、「事業縮小や再構築の検討」が10%だった。「その他」(28%)では「顧客の米国への製品出荷の変動に伴う受注減」など、間接的な影響についてのコメントがあった。
- 今後の事業計画や見通しの変化(自由回答):顧客の米国向け輸出減などに伴う売り上げの減少(間接的な影響)や米国輸出型サプライヤー(中国など)の欧州マーケット進出・参入、既存サプライヤーとの価格競争についてのコメントがあった。
- 日本政府や関連機関に求める支援(複数回答):「関税措置に対する交渉」が65%、「チェコ政府との連携強化支援」が23%、「代替輸出入経路の確保に関する支援」が10%、「各種相談窓口の設置」が5%だった。「その他」(18%)では、「欧州の輸出入関連の情報展開を引き続きお願いしたい」というコメントもあった。
なお、米国関税措置などに伴い、ジェトロは「米国関税措置等に伴う日本企業相談窓口」を米国、カナダ、メキシコ、中国をはじめとした全海外事務所、全国49カ所(大阪本部を含む)の国内事務所に設置している。
(宮川嵩浩)
(チェコ、米国)
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