2025年第1四半期のGDP成長率は2.4%、鉱業が低迷

(モンゴル)

北京発

2025年05月27日

モンゴル国家統計局は5月17日、2025年第1四半期(1~3月)の実質GDP(生産面からみた国内総生産。固定基準年方式で2015年の物価を基準としている)成長率の速報値を前年同期比2.4%と発表した。季節調整済み実質GDP成長率は前期(2024年10~12月)比0.4%(年率換算1.6%)で、モンゴル政府が2025年度予算を編成した際に設定した年間の計画成長率8.0%を大きく下回った。鉱業の実質GDP成長率が前年同期比0.8%にとどまったことが大きく影響したとみられる。名目GDPは前年同期比15.2%増の18兆9,685億トゥグルク(約7,587億円、1トゥグルク=約0.04円)だった。

実質GDP成長率2.4%への寄与度の内訳は、サービス業が1.2ポイント、農牧業が1.0ポイント、工業・建設業が0.4ポイント、鉱業が0.1ポイント、製品に対する純税(注)がマイナス0.4ポイントだった。鉱業の不振の原因としては、石炭の輸出額が前年同期比39.7%減となったことが挙げられる(添付資料表参照)。一方、前年春の雪害で大きな被害(2024年5月29日記事参照)を受けた農牧業の実質GDPは、前年同期比35.6%増の2,350億トゥグルクに回復した。

支出面からみた実質GDP成長率は前年同期比2.4%だった。同成長率に対する需要項目別の寄与度をみると、最終消費支出が8.4ポイント(うち民間最終消費支出が9.6ポイント、政府最終消費支出がマイナス1.2ポイント)、総資本形成が9.0ポイント(うち総固定資本形成が9.9ポイント、在庫品増加がマイナス0.9ポイント)、純輸出がマイナス14.9ポイント(うち財・サービスの輸出がマイナス11.6ポイント、財・サービスの輸入が3.3ポイント)となった。純輸出のマイナスは、財・サービスの輸出が前年同期比18.0%減の3兆5,000億トゥグルク、財・サービスの輸入が2.9%増の7兆7,000億トゥグルクとなったことによるもの。

(注)「製品に対する純税」とは、輸入品に課す税・関税から総資本形成に係る付加価値税を控除した部分を指す。

(藤井一範)

(モンゴル)

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