2024年の日本の対外直接投資フロー、アフリカに1,709億円、中東には1,245億円

(アフリカ、中東、日本、アラブ首長国連邦、南アフリカ共和国)

調査部中東アフリカ課

2025年05月01日

日本銀行が4月8日に直接投資の統計ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公表した2024年の直接投資フロー統計によると、2024年の日本から世界全体への対外直接投資(フロー)は30兆9,362億円(前年比5兆827億円増)だった。業種で最多は金融・保険業で、9兆5,234億円、国別で最多は米国の13兆4,411億円だった。

アフリカはモーリシャスが最多、南アが続く

2024年の日本からアフリカへの対外直接投資は1,709億円(前年比1,691億円減)だった。分野では、輸送器具(914億円)など製造業が1,041億円、金融・保険業(609億円)など非製造業が668億円だった。国別では、モーリシャスが1,215億円で最多で、金融・保険業(952億円)への投資が多かった。次いで南アフリカ共和国向けに輸送器具(904億円)、卸売・小売業(152億円)、一般機械器具(34億円)などへの投資が多かった。

国別では次のとおり(かっこ内は金額が最多の業種)。

  • モーリシャス:1,215億円(金融・保険業など)
  • 南ア:1,003億円(輸送器具など)
  • ナイジェリア:53億円(食料品など)
  • リビア:35億円(卸売・小売業など)
  • エジプト:32億円(化学・医薬など)
  • ケニア:15億円(金融・保険業など)
  • ウガンダ:12億円(建設業、運輸業など)
  • アルジェリア:8億円(建設業など)

中東ではUAE向けが圧倒的

日本から中東への投資は前年比540億円増の1,245億円だった。分野では、鉱業(648億円)、卸売・小売業(574億円)など非製造業が1,707億円だったが、製造業では合計マイナス462億円となった。

国別では、アラブ首長国連邦(UAE)が1,451億円で最多、中でも鉱業(648億円)、卸売・小売業(535億円)、不動産業(62億円)、サービス業(52億円)などへの投資が多かった。なお、サウジアラビア向けは引き揚げ超過でマイナス305億円、イスラエルもマイナス78億円になった。

国別の金額順では次のとおり。

  • UAE:1,451億円
  • イラク:51億円
  • バーレーン:29億円
  • オマーン:12億円
  • カタール:11億円
  • クウェート:4億円
  • ヨルダン:2億円
  • レバノン:2億円

対内投資はサウジアラビアやセーシェルが多い

2024年の日本の対内直接投資フローを見ると、全世界からは2兆217億円(前年比9,895円減)で、中東からが125億円(前年比20億円増)、アフリカからが7億円(前年比1億円減)だった。国・地域別では、香港が最多で4,375億円、中東ではサウジアラビアが最多の134億円、アフリカではセーシェルが最多で7億円だった。

(井澤壌士)

(アフリカ、中東、日本、アラブ首長国連邦、南アフリカ共和国)

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