米グランド・ファーム、ジョージア大学と連携し、ジョージア州にアグリテックのハブ拠点を開設
(米国)
アトランタ発
2025年05月08日
米国ノースダコタ州でアグリテック・エコシステムを構築するグランド・ファーム(注)とジョージア大学(UGA)農業環境科学部は5月2日、ジョージア州ペリーでUGAグランド・ファームの開所式を開催した。
開所式の様子(ジェトロ撮影)
開所式には、UGAのジェリ・モアヘッド学長、ジョージア州農務省のタイラー・ハーパー長官、ジョージア州議会のラリー・ウォーカー上院議員(共和党)ら200人以上が参加した。モアヘッド学長は「今後数年間、UGAグランド・ファームが、農業界が直面している最大の問題に取り組むことを目的とした、強固な農業エコシステムのハブとして機能することを確信している」と述べた。開所式の後には、太陽光発電で動く自律型ロボット除草機など、UGAとUGAグランド・ファームのパートナーによるデモンストレーションが行われた。
UGAのジェリ・モアヘッド学長のあいさつ(ジェトロ撮影)
グランド・ファームが、ノースダコタ州外で拠点を設置するのは初めて。ジョージア州では農業が活発で、大規模な生産が行われているほか、多様な気候条件のもと、さまざまな作物が育てられていることが同州に進出した理由だ(AFN 2024年6月13日)。また、グランド・ファームのエコシステム・ディレクターのアンドリュー・ジェイソン氏によると、UGAが地域の多くの農家とつながりを持っていることも同州へ進出した理由の1つだ。
250エーカーの農地を活用して、UGAグランド・ファームは研究、教育、持続可能な農業実践のハブとして機能し、精密農業、ロボット工学やデータ分析により、農業の生産性向上や資源保護、次の世代の食糧安全保障確保に資する取り組みを行う。UGAグランド・ファームでは、土壌センサーやドローン、自動運転の農業機械といったIoT(モノのインターネット)やロボット工学分野のほか、バイオや化学分野など農業に関連する技術を広く対象として実証環境を提供する。UGAグランド・ファームにおける初の実地プロジェクトは、2025年中に開始する予定だ。
UGAグランド・ファームの農地(ジェトロ撮影)
(注)グランド・ファームは、ノースダコタ州に590エーカー(約2.4平方キロメートル)の実証実験場を備え、アグリテック分野のスタートアップや投資家、最新技術へ関心のある農家などとの連携を進め、アグリテック・エコシステムの構築を目指している。2024年6月には埼玉県深谷市との連携を発表した(2024年6月24日記事参照)。
(檀野浩規)
(米国)
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