2025年第1四半期の自動車販売が急増、好調維持に期待
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2025年05月02日
アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)は3月31日、同月の自動車販売(新車登録)台数が前月比で6.2%増、前年同月比では83.5%増の4万6,279台だったと発表した(添付資料図1参照)。1~3月累計では前年同期比90.8%増加し、15万8,485台に達した。
ACARAのセバスティアン・ベアト会長は「マクロ経済が安定しつつあり、メーカーや銀行による無利子の自動車ローンが出現したことによって、消費者は今が買い時だと自動車購入に乗り出している。2018年以来、最も販売台数が多い第1四半期となった」「奢侈(しゃし)税が引き下げられたことによって、自動車の小売価格も下がった。この(販売)傾向は数カ月続くと見込まれ、(2025年)上半期は良い発表が期待できるだろう」と語った。
また、アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は3月の生産台数(大型トラック、バスを除く)は前月比2.0%減、前年同月比3.7%減の4万1,565台だったと発表した(添付資料図2参照)。この減少について、同協会のマルティン・ズッピ会長は、新車種の生産や物流の改善に向けた投資によって、複数の工場で生産が若干減速したのが原因と説明しつつ、1~3月の累計生産台数は前年同期比10.4%増となっている点を強調した。
一方、3月の輸出台数は前月比8.0%増、前年同月比3.4%増の2万4,292台と回復したものの、1~3月の累計輸出台数は前年同期比7.1%減少した(添付資料図3参照)。1~3月の累計輸出台数を仕向け地別にみると、全体の62.3%を占めるブラジル向けは前年同期比19.4%減少したが、16.6%を占める中米向けの伸び率は30.5%増と好調だった。5.4%を占めるチリ向けも好調で、前年同期比63.9%増加した(添付資料表参照)。
4月4日付の現地紙「インフォバエ」(電子版)によると、ハビエル・ミレイ政権が発足して自動車の輸入がほぼ制限されなくなってから15カ月が経過した今、アルゼンチンの自動車産業は過去4年間とは全く異なるシナリオを歩んでいる。輸入制限によって国内産業が保護されていた時期は、国内で販売された自動車の75%が国産車で、輸入車は25%にすぎなかったのに対し、現在は国産車が47%、輸入車が53%と、輸入車が半数を上回っている。このため、メーカーは輸出を拡大しなければならなくなった。ADEFAのズッピ会長は「新規雇用と外貨獲得に重要な輸出を促進するとともに、国内市場を強化するには、政府が企業の税負担を軽減することが不可欠だ。州政府や自治体などもこの取り組みを支援すべきだ」と訴えた。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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