セレス、上海モーターショーでインテリジェントセーフティーシステム初公開

(中国)

成都発

2025年05月15日

中国重慶市に本社を置く新エネルギー車メーカーの賽力斯集団(セレス)は、423日に開幕した第21回上海国際汽車工業展覧会(上海モーターショー)で、インテリジェントセーフティーシステムを初公開した(2025年5月2日記事参照)。

セレスは、生命、車体、健康、プライバシーの4つの分野を保護するために、同システムを構築したと発表し、同社の何利掦総裁は「利用者にとって車両の安全性や知能化、性能がますます重視されるようになっている。当社はヒト、車両、モノの安全性を保障するエコシステムを構築し、利用者に提供することを目的としている」と強調した。

今回の上海モーターショーでは、同社の主力ブランド「問界(AITO)」が展開する新型で小型のスポーツ多目的車(SUV)「問界(AITO8」も公開された(416日から販売)。同社は「問界(AITO8」の製造時に使用したギガキャスト(注1)をインテリジェントセーフティーシステムの一例として紹介し、同製造プロセスにより、車両の軽量化や衝突安全性の向上を図るとした。

また、セレスは新たなレンジエクステンダー(注2)を発表し、エンジンの熱効率44.8%を達成したほか、生産性向上を実現したモジュール化がなされたとした。そのほか、自社開発したプラットフォーム「魔方」を展示し、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、レンジエクステンダー車(REEV)のいずれにも搭載可能だと紹介した。

写真 レンジエクステンダーの展示(ジェトロ撮影)

レンジエクステンダーの展示(ジェトロ撮影)

写真 「問界(AITO)8」の展示(ジェトロ撮影)

「問界(AITO)8」の展示(ジェトロ撮影)

写真 ギガキャストの展示(ジェトロ撮影)

ギガキャストの展示(ジェトロ撮影)

(注1)ギガキャストとは、高圧で型締めした大型の精密鋳型に高速・高圧で溶融したアルミニウムを注入し、これまで数十から数百点の個別部品を組み合わせて作っていたボディーなどの超大型部品を1つの工程で一括成形する鋳造技術を指す。

(注2)レンジエクステンダーとは、電気自動車(EV)の航続距離延長を目的に搭載される小型発電機からなるシステムを指す。

(王植一)

(中国)

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