2024年のGDP成長率は4.7%、製造業、建設、鉱業は低迷

(ケニア)

ナイロビ発

2025年05月09日

ケニア国家統計局(KNBS)は5月6日、「エコノミックサーベイ2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。2024年の実質GDP成長率は4.7%だった。新型コロナウイルス禍で唯一マイナス成長だった2020年以降で最も低い成長率だった。サブサハラ・アフリカの平均3.8%は上回ったものの、東アフリカ共同体(EAC)加盟5カ国の平均5.4%には届かなかった。1人当たり実質GDPは、前年比約2.9%増の20万8,061シリング(約23万3,028円、1シリング=約1.12円)だった。

2024年の実質GDPの伸びを産業別にみると、GDP構成比の22.5%を占める農林水産業が4.6%だった。気候変動の影響を受け、本雨期が長く小雨期が短かったことにより、メイズ、ジャガイモ、ミレットなどの生産量は減少し、一方で、豆類とソルガムは増加した。換金作物としては、コーヒーの生産が4万9,500トンと好調で、輸出が48.6%増の296億シリング、紅茶の生産は前年比4.9%増の59万8,500トンだった。しかし、切り花の輸出は前年比11.9%減の11万6,300トンにとどまった。

金融・保険業(7.6%増)、情報通信(7.0%増)、宿泊・外食(25.7%増)が好調だった一方で、製造業(2.8%)は前年に続いて低成長にとどまり、建設(0.7%減)と鉱業(9.2%減)はマイナス成長だった。製造業は建設の不調を反映してセメント生産が減少したほか、自動車組み立て台数も前年比14.6%減の1万1,555台にとどまった。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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