アジア最大規模の食品総合見本市「HOFEX2025」開催、ジェトロがブース出展
(香港)
香港発
2025年05月26日
食品総合見本市「HOFEX2025-Asia's Food & Hospitality Tradeshow」と「ProWine Hong Kong」が5月14~16日、香港コンベンション・エキシビション・センターで開催された。主催者のインフォーマ・マーケッツによると、HOFEX2025はアジア最大規模の食品とホスピタリティー業界のBtoB向け見本市で、香港で隔年開催されている。同見本市は38年にわたる開催実績を持ち、今回は28以上の国・地域から2,000を超える企業やブランドが出展した。
会場には国・地域別エリアと商品カテゴリー別エリアが設置された。ジャパンエリアでは日本企業5社が独自ブースを設けたほか、その他の日系企業が商品カテゴリー別エリアに出展し、現地パートナー企業と共同出展するなどの様子が見られた。ジェトロはジャパンエリアに広報ブースを設置し、来場者にジェトロの支援サービスの紹介を行った。ジェトロのブースにはさまざまな国・地域の飲食店や卸・小売店などのバイヤーが訪れていた。来場した香港の飲食店からは、「ラーメンスープやしょうゆなどの調味料を探している」といった声や、香港のワイン専門店からは、「日本酒の取り扱いを始めたい。日本酒を酒器やつまみとともに提案したい」などの声が聞かれた。インドネシアから訪れたバイヤーからは、「ハラール商品(注1)を探している。特に発色が良い抹茶が欲しい」といった要望もあった。
会場では、食器や厨房機器、食品業界向けオーダー管理・決済サービスなど、食に関連する幅広い分野の事業者が出展し、新商品や最新技術の紹介を行った。厨房機器のエリアでは、オーダーを受けて自動で調理から包装まで一貫して行うロボティクスやモノのインターネット(IoT)技術を活用した製品が注目を集めた。自動ですしやおにぎりを製造して、包装まで行う機器も複数見られ、日本食品の人気の高さが感じられた。自動調理機器を扱う出展者から「香港では人件費高騰や人材不足が課題だ。省人化を実現するサービスを提案している」とのコメントがあった。また、環境に配慮した包装資材や包装技術を紹介するブースもあり、イノベーションによる課題解決や持続可能性を強調する企業が目立った。
同時開催の「ProWine Hong Kong」では、8つの国・地域のパビリオンが設けられ、ワインのほか、スピリッツや日本酒も紹介された。会場内では、マスター・オブ・ワイン(注2)のソムリエや、業界関係者らによるトレンドや専門知識に関するセミナーが開催された。
会場ではさらに、世界各国・地域から500人以上が出場した「香港国際料理クラシック」をはじめ、「香港・マカオトップ10バー・アワード」や「スピードコーヒーアート選手権」などのコンペティションが行われた。こうしたイベントに参加したシェフやバーテンダー、バリスタはジェトロブースも訪れ、特に日本の調味料や飲料に関心を示した。
主催者は2025年9月に飲食業界関係者が来場する見本市「Restaurant, Bar & Café Hong Kong」を香港で開催する予定だ。特に飲食店向けの販路開拓を希望する出展者からは、期待の声が上がっていた。
ジェトロのブース(ジェトロ撮影)
ジャパンエリアの様子(ジェトロ撮影)
ロボットや人工知能(AI)技術を活用した商品を紹介するブース(ジェトロ撮影)
(注1)インドネシアでは、2021年2月2日に公布されたハラール製品保証の実施に関する政令で、海外からの輸入品を含み、国内で流通する食料品や飲食店のハラール認証の取得、表示を行う義務が2024年10月17日を履行期限として定められていたが、2024年10月18日に公布された政令2024年第42号により、輸入食料品に対するハラール認証の取得義務履行期限が最長で2026年10月17日まで延長することを規定している(2024年10月25日記事、2025年2月12日付地域・分析レポート参照)
(注2)英国ロンドンに拠点を置くマスター・オブ・ワイン協会が認定する世界で最も権威あるワイン資格の1つ。
(杉本真希)
(香港)
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