中国各地統計局、第1四半期の経済指標を発表、成長率は湖北省が省・直轄市でトップ

(中国)

北京発

2025年05月08日

中国の各省・自治区・直轄市の統計局は4月25日までに、2025年第1四半期(1~3月)の主要経済指標をそれぞれ発表した(注1)。各統計局の発表を取りまとめた中国の各省・自治区・直轄市の実質域内総生産(GRP)総額、前年同期比成長率は添付資料表参照。

それぞれの地域のGRP総額をみると、広東省が引き続き全省・自治区・直轄市で最大のGRP総額を計上し、3兆3,526億元(約70兆4,046億円、1元=約21円)で前年同期比の成長率は4.1%だった。続いて江蘇省が成長率5.9%の3兆3,089億元となり、山東省が成長率6.0%の2兆3,466億元となった。

省・直轄市の中では、湖北省が最も高い成長率(6.3%)を記録した(注2)。湖北省のGRPについて産業別にみると、第一次産業、第二次産業、第三次産業がそれぞれ前年同期比3.2%増、6.4%増、6.5%増となった。

主要経済指標は、固定資産投資が前年同期比6.6%増、そのうち製造業投資が12.1%増となり、いずれも全国平均を上回っている。製造業では特に、航空宇宙機器および設備(76.0%増)、コンピュータおよび事務機器(64.0%増)、医薬品(29.4%増)が高い伸び率を示した。一方、不動産開発投資は5.5%減となったが、全国平均(9.9%減)と比べるとマイナス幅は抑えられたかたちだ。

サービス業の成長率(付加価値ベース)は6.5%だった。そのうち、交通運輸・倉庫・郵便業の成長率(付加価値ベース)が13.7%と2桁成長だった。社会消費品小売総額は7.3%増となり、全国平均の4.6%を大きく上回った。

そのほか、湖北省の2025年第1四半期の貿易総額は前年同期比16.6%増の1,743億1,000万元となり、初めて1,700億元を突破し、第1四半期としては過去最高額を更新した。内訳は、輸出が22.4%増の1,246億2,000万元、輸入が4.2%増の496億9,000万元だった。中欧班列の発着駅と長江による水路を有する武漢市は、湖北省の貿易総額の54.5%を占めており、湖北省の貿易を牽引している。武漢市の2025年第1四半期の貿易総額は17.8%増だった。湖北省の地場メディアである長江商報は湖北省の第1四半期の貿易の伸びについて、「中欧班列が定期的に運行するようになったことや、越境電子商取引(EC)総合試験区の取り組み・政策などが高い成長率に寄与した」と解説した(「長江商報」4月22日)。

(注1)中国国家統計局は4月16日に中国全体の第1四半期主要経済指標を発表しており、実質GDP成長率(前年同期比)は5.4%だった(2025年4月22日記事参照)。

(注2)自治区を含めると、チベット自治区の7.9%が全省・自治区・直轄市で最大の成長率となる。

(蔣春霞)

(中国)

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