米FDA、外国施設に対する事前通知なしの査察を拡大する方針を発表
(米国)
シカゴ発
2025年05月12日
米国食品医薬品局(FDA)は5月6日、米国向けに製造される食品、医薬品などを製造する外国施設に対する事前通知なしの検査を拡大させる方針と発表した。この計画発表にあたり、マーティン・A・マカリーFDA長官は「外国企業は施設検査前に事前通知を受ける一方で、米国製造業者にはそのような通知はない。FDAが外国施設に対する検査を正常な軌道に戻すための広範な戦略の一環として、重要な一歩だ」としている。
外国施設に対する査察は、現在は、査察が円滑に行われることなどを目的として、原則として事前に当該施設に対する通知がなされている。今回は、インドと中国の製造施設に対して試行的に行ってきた、事前通知なしの検査プログラムを拡大する方針としている。
他方で、CBSニュース(4月28日)によれば、複数の当局者の話として、インドと中国の製造施設に対して試行的に行ってきた事前通知なしの検査プログラムが、トランプ政権下で行われたFDAの人員削減の影響により、停滞しているとしており、今回発表された方針の実現可能性は不透明とみられる。
(注)事前通知なしの査察拡大の方針発表前の外国食品施設に対する査察に関する資料は米国食品安全強化法(FSMA)概要を参照。
(冨樫達也)
(米国)
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