大阪・関西万博での四川省ウィークの開催に合わせ、日系企業との意見交換会を開催
(中国)
成都発
2025年05月08日
ジェトロは4月28日、中国・四川省成都市で、現地進出日系企業のビジネス環境改善を目的として、在重慶日本総領事館、成都日本商工クラブ、四川省中国国際貿易促進委員会(CCPIT)と共催で在四川省日系企業懇談会を開催した。懇談会では、電力供給制限、環境規制の事前情報共有、就業許可や居留許可にかかる手続き運用、外資小売店舗でのたばこ販売の規制に関する制限の緩和の4項目について日本側から建議を行い、四川省政府の各関連部門から回答を得た。
電力供給制限に関しては、2024年夏の猛暑で電力供給制限が行われ、日系企業の工場稼働などに大きな影響が出た。今夏も再び同様の事態が起こる可能性があり、最近の電力供給状況や2025年の見通しなどについて説明を求めた。これに対し、国家電網四川省電力(国電四川)は「四川省は水力が豊富で、水力発電量が全国第3位であり『西電東送』の重要な基地でもある。四川省では2024年夏に猛暑で電力需要が高まったため、生活用電気を最優先するために、やむを得ず一部の企業に対する電力供給を制限した。ただ、同省の発電設備容量は1億4,500万キロワットであるほか、電力インフラの強化と電力供給体制の拡充に向けた取り組みを進めており、今年の電力については安定供給を確保している」と説明した。また、日系企業に対し、発電設備や燃料貯蔵設備の新設や増設について呼びかけを行った。
就業許可や居留許可にかかる手続き運用の改善について、四川省公安庁は「日本人駐在員に対する居留許可の審査は優先的に早期処理が行われており、就業許可と居留許可については、一括申請により5営業日に短縮された」と説明した。
今回の懇談会は、四川省政府が2025年大阪・関西万博での中国館における四川省ウィーク(4月28~30日)の開催に合わせて行われた。懇談会では万博会場での四川省ウィーク開幕式の録画中継が行われたほか、併催イベントである「四川料理-日本料理」体験ウィークの開幕式も行われた。
会場の様子(中国主催側提供)
四川省ウィーク開幕式の録画中継(ジェトロ撮影)
(王植一)
(中国)
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