中国ECプラットフォーム間の戦略的連携強化、小紅書と天猫が新たな協業を発表
(中国)
上海発
2025年05月14日
アリババが運営するEC(電子商取引)プラットフォーム淘宝(タオバオ)傘下の天猫(Tmall)と、若者を中心に人気がある、ライフスタイル共有プラットフォームの小紅書(RED)が5月7日、「紅猫計画」と称する戦略的協業を発表した。両社は、コンテンツから購買へのシームレスな接続を実現し、EC市場における新たな成長モデルを構築する方針を示した。
今回の協業では、RED上の商品広告記事に「広告リンク」機能を追加し、ユーザーが直接、タオバオの店舗ページ(APP)に遷移できる仕組みを導入。これにより、従来の商品宣伝から購買までのプロセスをプラットフォーム間で一元化し、コンバージョン率の向上を図る。
中国のEC市場は急成長を遂げている。中国国家統計局によると、2024年の全国オンライン小売総額は前年比7.2%増の15兆2,287億元(約304兆5,740億円、1元=約20円)となり、社会消費品小売総額(48兆3,345億元)全体の約3割を占めた。消費のデジタル化が加速している。
REDとTmallによる今回の連携は、コンテンツとECの融合による新たな消費体験を提供するとともに、中国EC市場のさらなる成熟を示す事例となった。その背景には、政府の政策支援もある。商務部は2024年4月に「デジタルビジネス3年行動計画(2024~2026年)」を推進し、同計画では、デジタルビジネスのエコシステム構築、ビジネスのデジタル化、ネットワーク化、スマート化のレベルアップを図るとしている(2024年5月10日記事参照)。
(龐婷婷)
(中国)
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