中南米最大規模のゲーム展示会「gamescom latam」開催、日本勢に存在感
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年05月09日
中南米最大規模のゲーム展示会「ゲームズコム・ラタム2025(gamescom latam)」が4月30日~5月4日、ブラジル最大の都市サンパウロで開催された(注1)。同展示会は、ドイツのケルンで毎年開催される世界最大規模のゲーム展示会「ゲームズコム(gamescom)」の中南米版で、ケルンメッセが主催する。2024年にサンパウロで初開催され、今回は2回目の開催だ。主催者の発表によると、245ブランドが出展し、来場者は13万1,854人だった。会場では日本を代表するゲームソフトウエア会社のアークシステムワークス、セガ、任天堂、バンダイナムコ、ポケモンや、Epic Games、Garena、Gravity、Roblox、Ubisoftなど、世界的なゲーム開発・販売会社の出展がみられた。
展示会の様子(ジェトロ撮影)
会場では日本のゲームが目立った。任天堂のブースでは、「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」がPRされ、多くの来場者が同社のキャラクター「マリオ」と「ルイージ」との写真撮影やゲームの試遊を楽しむ様子が印象的だった。ポケモンのブースでは、同社と米国のナイアンティック社が共同開発したスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」のブースが設けられた。ファンとの交流コーナーには同社の有名キャラクター「ピカチュウ」が登場し、ファンと写真撮影に応じて会場を盛り上げた。セガのブースでは、新作ゲーム「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚2」がPRされた。ブラジルでは日本アニメの人気が高まっている(注2)。日本でも人気を博した「鬼滅の刃」の知名度も高く、多くのファンが試遊を楽しんだ。会場内に設けられたステージでは、PlayStationシリーズに携わってきた元ソニー・インタラクティブエンタテインメントの吉田修平氏がインディーゲームエコシステムの未来像について基調講演を行った。
同展示会期間中に来場者の投票で選ばれる6つの賞のうち、最優秀ブース賞には任天堂、最優秀PlayStationゲーム賞は「鬼滅の刃」、最優秀モバイルゲーム賞は「ポケモンGO」が選ばれ、日本のゲームの存在感が際立った。
会場内はビジネス関係者向けと一般来場者向けに分かれており、ビジネス関係者向けの会場では商談が実施された。約200社のゲームパブリッシャーがブラジルや南米のゲーム開発会社と商談を行った。
(左)セガのブースで新作ゲームを楽しむ来場者、(右)人気を博した「ポケモンGO」のブース(ともにジェトロ撮影)
(左)「マリオ」と「ルイージ」が登場した任天堂のブース、(右)多くのビジネスパーソンで盛り上がる商談(ともにジェトロ撮影)
次回のゲームズコム・ラタムは、2026年4月29日~5月3日にサンパウロで開催の予定。
(注1)南米ではその他の大規模ゲーム展示会として「ブラジルゲームショウ(BGS)」が毎年サンパウロで開催されている。2024年は約30万人が来場した。ゲーム業界関係者からは、BGSはゲームズコム・ラタムと比較して、より消費者むけの展示会という声が多い(BGSの詳細は2024年10月22日記事を参照)。
(注2)ブラジルでの日本アニメ人気についての詳細は、調査レポート『アニメ関連サービス・商品に関するブラジル市場レポート(2025年3月)』を参照。
(伊藤優一)
(ブラジル)
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