産業博覧会「イノプロム・中央アジア」がタシケントで開催、ロシアとの技術協力が進展
(ウズベキスタン、ロシア)
タシケント発
2025年05月13日
ロシアと中央アジアの産業協力の拡大を目的とした、産業博覧会「イノプロム・中央アジア」が4月28日から30日までウズベキスタンの首都タシケントで開催された。ロシア企業によるウズベキスタンでの技術協力が進展した。4月28日には、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が展示会を訪れ、ロシア企業やカザフスタン、キルギス、ベラルーシのブースを視察した。
イノプロム・中央アジアが行われた国際展示場「中央アジアエクスポ・ウズベキスタン」(ジェトロ撮影)
前回(2024年5月22日記事参照)と比べ、面積が1万4,000平方メートルから1万8,000平方メートル、出展者数が約400社から約500社へと、ともに増加した。ロシアの地方自治体のブース数も14から17に増加した。
同展示会で、ロシアのデニス・マントゥロフ第1副首相は、ロシアとウズベキスタンは単純な貿易取引関係から深い技術協力を行う関係に移行しつつあると述べた。特に同氏は、ウズベキスタンのナボイ州とブハラ州におけるロシア企業による工業団地の設立を指摘した。ナボイ工業団地の最大のテナントの1つはロシアのアルネスト・ユニルス(2024年10月22日記事参照)だ。同社の関係会社が1億ドルを投じ、飲料用アルミ缶の生産工場を建設する予定になっている。
このほか、開催期間中に、無人航空システム(ドローン)の開発・生産を行うロシア企業「未来の輸送」が、2025年末までにウズベキスタンで民生用ドローンの生産を開始することを明らかにした(「スポット」4月28日)。ロシアの航空機メーカーの第1設計局はナボイ州の経済特区管理会社と、同局が3,000万ドルを投資して有人および無人航空機の生産を立ち上げる覚書に調印した。
ロシアのロボティクス・ソリューション企業のアプライド・ロボティクスは、ジェトロのインタビュー(4月29日)に対し、ウズベキスタンの大学と協定を結び、同社が開発した自動化装置を大学に設置するとともに、ウズベキスタンでの技術者の育成支援を行うと述べた。
アプライド・ロボティクスのブース(ジェトロ撮影)
貿易分野での協力文書も締結された。ロシアの鉄鋼製品メーカーがウズベキスタンの不動産デベロッパーとロシアから住宅・商業施設建設向けに鉄筋を供給する件のほか、モスクワ州およびタシケント州政府間では、モスクワ州にある中国の奇瑞(チェリー)ブランド車生産工場にウズベキスタンからスペアパーツを供給することに関し合意が行われた。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、ロシア)
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