国外スタートアップ企業向けビジネス交流会を開催、日本企業2社が参加
(ブラジル、イスラエル、シンガポール、日本)
サンパウロ発
2025年05月22日
ジェトロは5月9日、ブラジル貿易投資促進庁(ApexBrasil)およびブラジル・プライベートエクィテイ・ベンチャー・キャピタル協会(ABVCAP)との共催で、「ScaleUp in Brazil」のビジネス交流会をサンパウロ市内のジャパンハウスで開催した。「ScaleUp in Brazil」は2019年、ApexBrasil、ABVCAP、イスラエルの貿易促進機関であるイスラエル貿易振興庁(イスラエルトレード)の発案で開始した。同プログラムでは、ApexBrasilを含むブラジルの政府機関が、海外スタートアップのブラジルにおけるビジネス展開支援を行う。2022年以降は支援対象国にシンガポールと日本が加わり、プログラムの主催者として、ブラジル政府に加え、イスラエル(イスラエル経済貿易ミッション)やシンガポール〔シンガポール企業庁(Enterprise Singapore)〕の貿易投資促進機関、ジェトロも参加する。2026年以降の6期目からは、フィンランドの政府系機関ビジネスフィンランドも参加する予定だ。
2025年は、同プログラムの支援対象として、日本、イスラエル、シンガポールのスタートアップ18社(注1)が採択された。
5月9日に開催されたビジネス交流会では、日本企業2社を含む計11社(注2)がピッチを行った。ピッチでは、プログラムに参加するスタートアップと現地進出日系企業のビジネスマッチングを目的に、ブラジル日本商工会議所の会員企業なども招待された。
交流会の冒頭あいさつで、ApexBrasilのフェリペ・ベリーロ投資アナリストは「イスラエル、シンガポール、日本、そしてフィンランドの共通点は、イノベーション分野で突出している点だ。われわれは最高のパートナーと協力している」と強調した。また、ジェトロ・サンパウロ事務所の中山貴弘所員は「このプログラムにより、実際のビジネス機会へとつなげることができる。以前、プログラムに参加した日本のスタートアップの中には、既にブラジルで操業開始した企業もある」と述べた。さらに、ABVCAPのジュリア・リマ国際アナリストも「このプラグラムでは、大企業やベンチャーキャピタルのネットワークにアクセスしながら、ブラジルのエコシステムの特徴を理解することができる」とプログラムに参加するメリットを強調した。プログラム参加企業は、5月23日までサンパウロ州、パラナ州、サンタカタリナ州で科学技術集積地の訪問や企業との面談などを実施する。
交流会後に開催された、ネットワーキングに参加した日系金融機関からは「ブラジルのスタートアップ振興に関わる機関や、興味深い技術を持つスタートアップを知ることができた」とのコメントが得られた。その場でスタートアップと次回面談の設定をするなど、活発な交流が行われた。
ScaleUp in Brazilの第6期の参加募集は、2025年6月~9月にかけて行われる予定。ブラジルへの進出を検討するスタートアップを、分野を問わず幅広く公募する。
多くの参加者が詰めかける会場の様子(ジェトロ撮影)
ネットワーキングセッションの様子(ジェトロ撮影)
(注1)本プログラムの最終ステージに進んだ18社の内訳は、日本企業4社、イスラエル企業11社、シンガポール企業3社。採択後、ブラジルに渡航するステージまで進んだのは12社。ジャパンハウスでのピッチを行った企業は11社。
(注2)11社は添付資料表参照。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル、イスラエル、シンガポール、日本)
ビジネス短信 7337c80edb8d3e62