サウジ・米国投資フォーラム開催、対米投資6,000億ドル規模に
(サウジアラビア、米国)
リヤド発
2025年05月16日
サウジアラビア・米国投資フォーラムが5月13日、米国のドナルド・トランプ大統領のサウジアラビアへの訪問(2025年5月15日記事参照)に合わせて、サウジアラビアの首都リヤドで開催された。政府高官をはじめ、フォーチュン・グローバル500企業の経営幹部、起業家や投資家が参加した。
米国ホワイトハウスによると、サウジアラビアによる対米投資総額が6,000億ドルとなることを発表し、両国間の商業協定としては過去最大となった。
主な協定内容は次のとおり。
- 最大規模の防衛製品売買協定(約1,420億ドル)。十数社の米国防衛企業からサウジアラビアに最新鋭の戦闘装備とサービスを提供。
- データボルト(注1)による米国における人工知能(AI)データセンターとエネルギーインフラ投資計画(約200億ドル)。
- GEベルノバ(注2)によるガスタービンおよびエネルギー・ソリューションのサウジアラビアへの輸出(総額142億ドル)や、アビリース(注3)向けボーイング旅客機の同国への輸出(総額48億ドル)。
- 投資パートナーシップ:エネルギー投資ファンド(50億ドル)、新時代の航空宇宙・防衛技術ファンド(50億ドル)など、米国での展開に重点を置いたセクター別ファンド。
- ヒル・インターナショナル(注4)を含む米国の象徴的な企業による、主要なインフラプロジェクトの建設(総額20億ドル)。
両国の経済協力パートナーシップにおける戦略的分野は次のとおり。
- エネルギーと持続可能性
- 金融サービス
- AI&テクノロジー
- 工業・製造業
- 航空宇宙・防衛
- ヘルスケア&ライフサイエンス
- ベンチャーキャピタル&イノベーション
ムハンマド・ビン・アブドゥッラー・アール・ジャドアーン・サウジ財務相とスコット・ベッセント米財務長官は、「財政と金融の協調」と題した閣僚対話で、両国の経済関係強化の重要性を強調した。ジャドアーン財務相は、「サウジ・ビジョン2030」発表以来、米国からの投資流入は増加し、両国のパートナーシップは相互利益に資するものであり、石油への依存度の低減に貢献するものであると述べた。
(注1)サウジアラビアのデータセンター開発・運営会社。
(注2)米国のエネルギー機器製造会社。
(注3)サウジアラビアの公的投資基金(PIF)傘下の航空機リース会社。
(注4)米国の建設プロジェクトマネジメント会社。
(平田若菜)
(サウジアラビア、米国)
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