大阪・関西万博のサウジアラビアパビリオンでゲーム・観光・文化産業のイベント開催
(サウジアラビア、日本)
リヤド発
2025年05月21日
ジェトロは5月10日、サウジアラビア投資省(MISA)と共催で、ゲーム・観光・文化をテーマに「The Cultural Renaissance – Tradition Meets Technologies」を大阪・関西万博内のサウジアラビアパビリオンで開催した。
第1部「Game Localization Insights: Unlocking the Saudi Market」では、サウジアラビア側はMISAと地場ゲーム会社Lobah Game Studioが、日本側はSNK、スクウェア・エニックス、ルーディムスが登壇した。冒頭、サウジアラビア側から、国家ゲーム産業戦略の下、2030年までに同業界の経済規模を約500億リヤルとするため(約1兆9,450億円、1リヤル=約38.9円)、250社を超えるゲーム会社の設立、エコシステムの形成に注力していることなどが述べられた。
日本側からは、同国のゲーム産業の成長性やローカライゼーションついて、過去経験や実例に基づき発言があった。特にローカライゼーションについては、「ゲームのローカライゼーションを検討する際、言語やボイスオーバー(注1)、地域の文化を踏まえてコンテンツ自体を変更する場合もある。また、翻訳においては難しい面が多々ある。例えば日本語から他言語に翻訳する場合、多くは日本語対比30~50%文章が長くなる。そのため、単に単語に置き換えるのではなく、新しい言葉を作るなど、ゲームストーリーの正確性やエンターテイメント性、ゲームUI(注2)を維持する工夫が必要だ」と、その難しさについても言及があった。
第2部「Experiential Tourism in Saudi Arabia: A New Era for Investors」では、MISAの観光担当が、第3部「Saudi Creativity in Focus: Art, Fashion, and Digital Expression」では、MISAの文化担当とファッション委員会が登壇した。担当者からは、各分野の国家戦略やプロジェクトについて紹介があった。
ワークショップ参加者からは、「自力では情報収集が難しい中、広く情報を入手でき有益だった」などの声が聞かれた。
ワークショップの様子(ジェトロ撮影)
(注1)ゲーム上の視覚的な情報を補完するために追加された解説音声のこと。
(注2)ユーザーインターフェース。プレーヤーとゲームとの間で情報をやり取りするための表示画面や操作方法のこと。
(井村文哉)
(サウジアラビア、日本)
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