アブダビ経済代表団が来日、日本との関係強化訴え

(アラブ首長国連邦、日本)

調査部中東アフリカ課

2025年05月16日

ジェトロは58日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ経済代表団来日の機をとらえ、アブダビ商工会議所と共催で「アブダビ-日本ビジネスコネクト」を開催した。イベントには日本とUAEの関係者合わせて約250人が参加し、アブダビの投資環境の紹介や覚書(MOU)の署名式、企業同士の個別面談などが行われた。

開会のあいさつでは、アブダビ商工会議所会頭兼アブダビ経済開発局長官のアハメド・ジャシム・アル・ザービ氏が登壇した。アル・ザービ氏は、アブダビにとって日本は重要な貿易相手国であることを強調した上で、20249月に交渉を開始した日・UAE包括的経済連携協定(CEPA)(2024年9月19日記事参照)による貿易と投資のさらなる強化を訴えた。石黒憲彦ジェトロ理事長もあいさつで同様に、CEPAの交渉進展によるビジネスの活発化と投資の促進を言及した。

写真 開会あいさつを行うアブダビ商工会議所会頭のアハメド・ジャシム・アル・ザービ氏(ジェトロ撮影)

開会あいさつを行うアブダビ商工会議所会頭のアハメド・ジャシム・アル・ザービ氏(ジェトロ撮影)

写真 あいさつを行う石黒憲彦ジェトロ理事長(ジェトロ撮影)

あいさつを行う石黒憲彦ジェトロ理事長(ジェトロ撮影)

また、アブダビ商工会議所とアブダビ投資オフィス(ADIO)などから最新の投資環境の紹介が行われた。アブダビ商工会議所からは投資、進出先としてのアブダビの魅力として次の点が挙げられた。

  • 都市別安全指数ランキング第1位
  • 世界スマートシティランキング第10位
  • 未来都市fDi世界ランキング第12位
  • 中東地域でのビジネス環境ランキング第1位

アブダビの経済については、2024年のGDPは前年比3.8%増の1兆2,000億ディルハム(約49兆2,000億円、1ディルハム=約41円)で、そのうち54.7%が非石油部門とした。非石油部門の成長率は前年比6.2%を記録しているという。アブダビ商工会議所によると、2024年の日本とUAEの非石油部門の貿易額は140億ドルで、5年間の平均成長率は11.9%になるという。ADIOからも、現在アブダビがアグリテックやヘルスケア、航空などの非石油分野のビジネスに注力していることが紹介された。

イベントでは、ジェトロとアブダビ商工会議所との両国間の投資促進への協力に向けたMOUと、ジェトロとアブダビのアクセラレーション機関Hub71(2024年8月7日付地域・分析レポート参照)との業務提携のMOUの署名式も、それぞれ行われた。署名式に立ち会ったジェトロの石黒理事長は、これらの機関と連携し、ビジネスをサポートしていく意向を述べた。

写真 ジェトロとアブダビ商工会議所のMOU署名式(ジェトロ撮影)

ジェトロとアブダビ商工会議所のMOU署名式(ジェトロ撮影)

また、イベント後半には日本とアブダビ双方の企業同士の個別面談も行われ、活発な交流も見られた。

写真 個別面談の様子(ジェトロ撮影)

個別面談の様子(ジェトロ撮影)

(加藤皓人)

(アラブ首長国連邦、日本)

ビジネス短信 669735a195e02b4b