リヤドでサウジアラビア・スペインビジネスフォーラム開催
(サウジアラビア、スペイン)
リヤド発
2025年05月27日
サウジアラビアの首都リヤドで5月22日、「サウジアラビア・スペインビジネスフォーラム」が開催された。本フォーラムには、両国の政府関係者や民間企業の代表など300人以上が出席した。
ファイサル・ビン・ファデル・ビン・モフセン・アール・イブラヒム経済・計画相は開会あいさつで、「サウジアラビアは知識基盤型経済(注1)への移行を着実に進めており、2024年には非石油部門がGDPの54.8%を占めた。国家戦略『ビジョン2030』の開始以降、非石油部門への民間投資は70%も増加している。900件を超える経済・構造改革を実施したことが、投資家の信頼を高め、ビジネス環境を合理化したことに起因する」と述べた。また、同経済・計画相はスペインとの関係について、「スペインからサウジアラビアへの投資は過去10年間で30億ドルを超えた。また、インフラ、ヘルスケア、農業、不動産、テクノロジーなど200社以上のスペイン企業が進出している。両国の関係は経済分野にとどまらず、スペイン・スーパーカップ(注2)のような文化やスポーツ分野での協力にも広がっており、両国間のより深い結びつきと相互尊重の強化に貢献している」と紹介した。
スペインのカルロス・クエルポ経済・通商・企業相は、「サウジアラビアはスペインにとって最も重要なパートナー。過去3年間で同国におけるスペイン企業のプレゼンスが57%増加した」と述べた。5月23日付「アッシャルク・アルアウサト」紙によると、フォーラム中には水インフラ、不動産開発、輸送技術、電気通信の4件での締結があったという。
開催前日の5月21日には、両国間の経済関係を強化するための覚書(MOU)が締結された。同協定には、経済モデルや政策立案における協力の調整、共同パートナーシップやプログラムを通じた中小企業(SMEs)の支援、共同プロジェクトや経済イベントへの2国間参加の促進など、協力分野の概要が示されている。また、持続可能な開発と「ビジョン2030」の目標に沿った、産業、技術、イノベーションなどの分野における情報や統計の交換も含まれる。
(注1)知的財産・ビジネスモデル・ブランド・知識などの形のない技術・情報を基盤とする経済。
(注2)スペインサッカー連盟(RFEF)は2019年、サウジアラビア政府とスペイン・スーパーカップを同国で開催することに合意した。
(林憲忠)
(サウジアラビア、スペイン)
ビジネス短信 612f8ee0ff486f1e