ジェトロ、エンジェル投資家に日本のスタートアップ投資の魅力発信

(米国)

サンフランシスコ発

2025年05月20日

米国カリフォルニア州サラトガで514日、ベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家、アーリーステージのスタートアップが集うネットワーキングイベントがハッスルファンド主催で開催された。シリコンバレーのスタートアップ・エコシステムを代表するキープレーヤーが一堂に会する中、ジェトロはテックスターズ東京と連携し、日本へのエンジェル投資を促進する特設ブースを設置した。

2017年に設立されたハッスルファンドは、シリコンバレーのアーリーステージ投資で存在感を高めている。創業初期(プレシードとシード期)のスタートアップに対し、少額ながら迅速な意思決定で投資を行う点が特徴で、「実行力(Hustle)」を最も重視する投資方針を掲げている。

写真 (左)ハッスルファンド創業者を囲んで、(右)大勢の参加者でにぎわうネットワーキング(ともにジェトロ撮影)

(左)ハッスルファンド創業者を囲んで、(右)大勢の参加者でにぎわうネットワーキング(ともにジェトロ撮影)

今回のイベントでは、さまざまなバックグランドを持つエンジェル投資家を中心に、ベンチャーキャピタリストや有望なスタートアップとの活発な交流が行われた。京都大学の兼任教授でエンジェル投資家でもある吉川絵美氏によると、ハッスルファンドは単なる資金提供者にとどまらず、スタートアップコミュニティーの形成にも重要な役割を果たしているという。また、同ファンドが展開する「エンジェルスクワッド」では、会社員などの個人が1,000ドルからアーリーステージのスタートアップに投資できる仕組みを提供しており、投資の民主化(democratization)を進める取り組みとして注目されている。

写真 (左)グループディスカッションの様子、(右)日本のスタートアップ状況を聞き入る参加者(ともにジェトロ撮影)

(左)グループディスカッションの様子、(右)日本のスタートアップ状況を聞き入る参加者(ともにジェトロ撮影)

ジェトロとテックスターズ東京のセッションは、スタートアップ投資に関心を寄せるエンジェル投資家を前に、日本のスタートアップの魅力や投資可能性について紹介した。参加者からは、「日本に旅行に行ったばかりで興味を持った。まずスタートアップ投資の現状を知りたい」「日本のスタートアップに投資したいが、法制度や税制が気になる」「どの分野に有望なスタートアップがあるのか」といった声が寄せられ、日本のスタートアップ市場への関心の高さがうかがえた。

(松井美樹)

(米国)

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